利用者が施設を選ぶ時代はわりとすぐ来る~近い未来の保育園について考えよう~【ちょこっとコラム】

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 今回は、保育園という保育施設の近い未来、10~数十年後について考えていきたいと思います。あくまでも個人的な予想ですが、ほぼ確定しているのは以下の4つかなと思います。

・少子化のあおりもあり待機児童がなくなる
・保育施設の数が利用者の受容を越え、保育外ニーズに特化した形が現れる
・保育の二極化が起こり、質の高い保育園と質の低い保育園が選ばれる時代になる
・利用者が保育施設を吟味して選ぶ時代がくる

 なので今回は、今すぐにこうした環境に激変するわけではないものの、これから保育士になる学生や現場保育士、下のお子さんを考えているママパパは考えておいて損はしないこれらの未来について解説をしていきます。

 独断と偏見を含みますが、すでにこうした時代が来ることの予兆のような出来事は出てきているので、是非興味をもってもらえたらと思います!

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おもちゃのサブスク。
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回収された玩具は、消毒を徹底し清潔な状態で次のお宅の、お子さまと出会いにいきます。コロナ禍での学びは感染対策を一つ進歩させました。

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近く起こる未来1・・・待機児童問題の消失

 はい、みなさんこんにちは男性保育士のRyU先生です。今回は、割と近くの未来に起こる保育施設の変化について予想・解説をしていきます。

 近くとは言っても数年後というわけにはなかなかいかないので、もしかしたらその影響を感じる事ができずに、お子さんたちが進学する方もいらっしゃるかもしれません。ですが、これから先の未来を担う子ども達の多くに関わる事柄なので、知っておいて欲しいなと思います。

もう少し受け皿の確保は続くけれど、必ず終わる

 保育施設の未来を語る上で切り離せないのが、待機児童問題です。今は、保育を本当に必要としている人ですら、保育の受け皿が不足していて保育サービスを受けることができない。という、極めて看過しがたい状況も見られていて、大きな社会問題と化していますね。

 また、潜在待機児童と言って、本来は通わせたい保育園があるものの定員がいっぱいで入れないので、枠が開くのを待つ為に待機児童になっているケース。そして、枠が空いていて、預けることができるのであれば働きに出たいと考えているケースも潜在待機児童と言えます。

 今は、本来の意味での待機児童である、保育サービスが必要な家庭においても受け皿が足りなくて保育サービスを受けることができていない状態が続いています。そうした早急な解決が望まれる問題を解決する為に、政府や自治体が保育施設を増やし、営利企業の進出も認めて保育園が急激に増えている状態です。

 しかし、日本の人口動態を見て分かる通り、何か大きな政策でも打ち出されない限り、これから少子高齢化の影響はより濃くなっていきます。なので、子どもは減るということがほとんど決まっているのに、保育園は毎月のように建っていくという少し奇妙な状態に現在なっています。

 これはもちろん、不足していた受け皿の補充という大切な役割があるのですが、単純に考えてどこかで需要と供給が釣り合い、もしかしたら需要よりも保育園が増えてしまうかもしれないことは分かりますね。

 保育園は福祉サービスですが、全ての費用を国や自治体が負担してくれるわけではありませんので、少なからず経営において利益が絡みます。これは至極、健全なことです。ですが、利益が絡むからこそ、経営者の立場からしたらいつまでも保育園を増やし続けることはありません。必ず、需要と供給のバランスを見て新規園の立ち上げを止めたり、場合によっては施設数を減らす縮小や保護者のニーズと合わず利用者が減ってしまい撤退する企業や法人も出てきます。

 そうなるときには、すでに利用者の受容に対して、保育施設の供給は十分になっているので新規園はそうそう建たなくなります。また、ニーズに応えられなかった保育園や、赤字経営になってしまっていた園は撤退して、保育園の数は本来の需要へと向かってゆるやかに減少していきます。

短期的に待機児童は増え、その後ほどなくして待機児童問題は解決する

  保育施設は未だに増え続けていて、待機児童問題に取り組む国や自治体の表情も真剣になっていると個人的には感じています。なので、このまま少しずつですが受け皿は拡大していき、保育士不足の課題も残っていますが、今待機児童になってしまっているお子さんも数年後には保育園が見つかるかもしれません。また、これから保育園を利用しようと思っている乳児さんや、お腹の中に赤ちゃんがいる家庭ではよりスムーズに保育園が見つかる様になっていくでしょう。

 そうすると、潜在待機児童が一気に表面化するので、一時的に待機児童の数は増えます。希望園を狙って待機していた家庭だけでなく、保育園に預けることができるのであれば働きたいという人も少なくはないと思います。なので、もしかしたら今取材などで潜在待機児童数としてカウントされている人数よりもかなり多くの数が、表面化するのではないかと思っています。

 保育園のニーズの終着駅は、こうした社会参加をしたい人が安心して子どもを預けて働けるくらいの、保育施設が整うことだと思っています。なので、これ以上の保育施設の増設の必要性はなくなり、次に保育の質や、保育外ニーズに特化した形のある種戦略的な保育施設が新規事業として興るでしょう。この時点で、必要な保育にサービスが行き届いているので待機児童は居なくなります。

近く起こる未来2・・・保育外ニーズに特化した施設の出現

  潜在的なものを含めた待機児童が減少傾向になると、既存の保育施設よりも質の良いサービスや、ニーズに合った施設が立ち上がる様になっていくでしょう。今は必要な人の為に整備しなければならない福祉サービスとしての一面しかありませんが、「子どもを預ける」というニーズに対して必要十分な数の保育施設が出来た後は、より営利的な新規サービスという付加価値をもった保育施設が望まれるようになっていきます。

 例えば、スポーツや音楽、芸術に特化したプログラムを取り入れたり、グループ園においてオンラインを駆使してどこの地域であっても同じサービスの質が担保されたり、保護者の勤務や予定に合わせてより細かく保育時間を設定したりできる施設などは分かりやすいですよね。

 また、近年になって注目されているプログラミングや、性教育や道徳教育などにより配慮したプログラムが出てくるかもしれません。更に、大手メーカーや企業とタイアップをして、プロ野球選手が体操を見てくれたり、ホテルのシェフがクッキングの時間に教えてくれる、なんてサービスが出てくるのも魅力的だと思います。

 あとは、個人的には保育施設というよりも、もっと透明性があって保育の質が担保された託児所が増えてくれると良いなと考えています。今の保育園は「日中に保育の欠ける家庭の子どもを代わりに預かり保育をする」という施設です。そうではなくて、パパやママが出かけたい時に一時預かりができたり、育児ノイローゼになってしまう前に1日の中でも数時間育児から解放される時間を気兼ねなく取ることができたり、家庭の事情でどうしても両親や兄弟に頼ることができずに、育児を抱え込んでしまっている人に寄り添うサービスが広まってくれたら、日本はもっと子育てをしやすい社会になるのではないかと考えています。

近く起こる未来3・・・保育の二極化

 保育外ニーズに特化した、新規参入園の台頭と同時に起こるのが、既存の保育施設での保育の質の二極化になります。青臭い言い方ですが、「保育」そのものに真剣に向き合ってきた保育施設は、より利用者の保育ニーズに合うサービスを提供し、それによって利用者から選ばれる施設になっていきます。

 ですがもし、保育施設を建てれば国や自治体からの助成金が出るからとか、今は保育のニーズがあるから施設さえ建てれば利用者は来る程度の経営戦略でいる施設は保育の質は上がりませんし、ニーズに応えることもできないでしょう。

 そして、保育士をぞんざいに扱っている保育園に関しても、より良い保育施設が増えていけば、実力の高い保育士や志の高い保育士はそうした園に移っていきます。すると自然に、良い施設には良い保育士が集まり、質の低い施設には実力や志の低い保育士が集まりやすい構図になっていきます。

 飲食店などであれば、基本的には質の低い店はお客さんが来なくなって潰れる。質の良いお店にはお客さんが集まり繁盛すると思うのですが、保育が福祉サービスである限り質の低い保育施設でも多くは生き長らえてしまうと思っています。例え、保育士に見限られた保育園であっても、子どもを預けたい人がいれば、そうそうその園を立ち退かせるわけにはいきませんからね。

 なので、今より十数年後は、お子さんを預けようと思う保護者はしっかりと情報を集めて、質の高い保育園を選べるように今からでも勉強をしていく必要があると思います。

 また、保育士も今は有効求人倍率が2倍以上もある、異常事態はもうすぐ終わります。その次には、保護者が質の高い保育施設を選び、その保育施設もよりよいサービス提供の為に質の高い保育士を選ぶことが当たり前になります。今のままの自分で、将来的に質の高い施設に認めてもらえる保育士になれるのか?真剣に向き合っている人と、そうでない人との差は顕著になると危惧しています。

近く起こる未来4・・・利用者が保育施設を選ぶ

 待機児童が居なくなり、短期的に潜在待機児童数が表面化する事態を超えて、保育施設は二極化と保育外サービスの強化という独自性を意識した運営に変わっていくでしょう。

 生活の為に子どもを預けなくてはならない、仕事をする為に子どもを預けたいという、根本的な受け皿としての機能が満たされた時。機械的に保育施設を割り振られるのではなく、利用者となる保護者が各保育園の特性や、その家庭個々にあるニーズにマッチする保育施設を吟味して選ぶ時代になっていきます。

 そうなった時にも忘れてはいけないのは、子どもの人生の主体はそのお子さん自身であるということかなと思います。付加価値の面で幾つか具体例をあげましたが、究極的にはお子さんが元気で健康的に、笑顔で生活ができること以上に質の高い保育はないのですからね。

 

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