はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。
今回は生後半年頃から始まる「人見知り期」について話していきます。
- 人見知り期がなぜあるのか?
- 人見知りする子どもにどのように対処すれば良いか?
- 人見知りする子どもとどう関係を持てば良いのか?
この3つのポイントに焦点を当てて解説していきますので、最後までご覧下さい。
では、さっそくいってみましょー!
生後6ヵ月頃の赤ちゃんとの上手な関わり方
「人見知り期」って必要なの?
「赤ちゃんの人見知り」と聞くと、どこかネガティブな印象で、なんだか分からないけれど手がかかる時期なんだろうな、と感じる人もいるかもしれませんね。
実際に手がかかるかかからないかでいうと、もちろん人見知りをしてしまう場面は少ない方が手間はかかりません。
ですが、本当に赤ちゃんの人見知りはただ手のかかる、ネガティブな現象なのでしょうか?
人見知り=大好きな家族と他人とを見分ける力
専門的な言葉をできるだけ使わずに、おおまかに人見知りを説明します。
人見知りとは、
赤ちゃんが周りの大人(大好きなママやパパ、一緒に暮らす家族など)と、関わりの無い大人とを見分けること。
になります。見分けることができるようになったので、周りの大人に安心感を抱いて、関わりの少ない人に対して警戒心を抱くのです。
生後間もない赤ちゃんは、人の顔を認識することは可能ですが、それが家族なのか、そうでないのか、自分にとって”安全な人物”なのか、危険な人物なのかを区別することができないのだそうです。
一説にはママの顔だけは特別に認識できる、なんて話も聞いたことはありますが、基本的には「これは人間の顔だ!」とは分かっても、「○○の顔だ!」とまでは分かっていない。ということですね。
人見知りの起きる生後半年より前は、「誰にでも笑顔を振りまいていて社交的と思ってたのに、こんなに人見知りが激しいなんて!!」と、困惑してしまう人もいるかと思います。
これも幼い赤ちゃんだけが持っている「人だと認識したら笑顔を作る」という能力があるからだったりします。
赤ちゃんは本当に賢いので、自分が”生物として弱い存在”だと言うことを本能的に理解しているのです。
なので、周りの大人にお世話してもらう為の手段の1つとして笑顔を作ったり、泣いたりすることによっても、自分をお世話してもらう為の手段の1つなのです。
人見知りすることで危険な人を遠ざけようとしている
生後半年頃に近づくと、手段としての笑顔から、安心できる人に見せる笑顔が見え始めます。
特にママに対して多く笑顔を見せることが多いです。
赤ちゃんの中で、安心できる人を区別できるようになったからですね。
それと同時に、あまり普段会わない人を見ると、笑顔が見られなかったり、どこか警戒しているようにじっと見つめたりすることがでてきます。
そして「人見知り期」になると、”安心できない人”を拒んで、安心できる人に”助けて!”と伝える為に激しく泣く姿が見られるようになります。
人見知り期は発達において必要なこと!
少し簡単に人見知りについて解説してみました。
なので、「人見知り期は必要なのかどうか?」に対する結論を書きたいと思います。
赤ちゃんの人見知り期というのは、赤ちゃんが成長する上で必要な反応で、発達上とても重要な意味を持った必要不可欠なものです。
また、個人差で程度の差はあれ必ず発達の過程で経験していくものなので、家の子だけ人見知りをしてるんじゃないか?と不安になる必要は無いことも付け加えておきたいと思います。
しかし、そんな大切な時期なのに、なんだかネガティブな印象を抱いてしまうのはなぜなのでしょうか?大人の「人見知り」と比較しながら、少しそのことについても考えてみましょう。
赤ちゃんの「人見知り期」と大人の人見知りの違いは?
端的に言うと、赤ちゃんの人見知り期は「発達上で見られる正常な反応」で、大人の人見知りが意味する「個性」や「特徴」になります。
つまり、使っている言葉は一緒なのですが、全く違う性質の話になるので、ここを一緒のつもりで話してしまうとトークテーマのかみ合っていない会話になってしまいます。
ここまでの解説で、赤ちゃんの「人見知り期」というのは発達上で必要なことで、とても重要な意味を持っている時期。ということは分かりました。
大人の人見知りはそうではありませんよね?
それなのに、大人が使う「人見知り」と混同してしまうことが多いのは、その性質について知らないことが大きな理由の1つではないかと考えています。
大人の「人見知り」とは?
大人が「人見知り」を使うシチュエーションを考えてみましょう。
例えば、「自己紹介」であったり、SNSの「プロフィール欄」でもよく目にしますし、ママ同士やパパ同士で子どもの話をしている時に「うちの子は人見知りで」なんてこともあるかもしれません。
そうした時に、恐らく多くの人が「人見知り」を、欠点や短所、直したいところ、として使っているものと思います。
つまり、大人が使う人見知りには、少しネガティブな個性という気持ちがあって、相手に対して「コミュニケーションの際に配慮してくれると嬉しいです」という文脈が隠れているケースが多い。ということではないかと思います。
また、「人見知りを克服する」ことをテーマとした書籍や、テレビや動画も古今東西で溢れ返っています。
その為に人見知りとは克服しなければならないもので、克服できていないことはどこか恥ずかしいこと。と刷り込まれてしまっている部分もあるのではないでしょうか?
こうした理由から、人見知りはネガティブな特徴である。と考えてしまう人が多いのではないかと思います。
そして、そんな特徴としての「人見知り」と、赤ちゃんの「人見知り期」を区別することができずに考えてしまうのではないでしょうか。
赤ちゃんの人見知り期は「特徴」ではなく「発達上の必要な反応」
大人の「人見知り」というのは、自分や近しい人の特徴を表す個性の1つであり、赤ちゃんの人見知り期の様に誰もが必ず経験するものでもないし、そもそもの性質が異なるものだということが分かりましたね。
また、人見知りが良くなる過程も異なります。
赤ちゃんの人見知りは、時期と発達と共に自然と治まっていくものです。
それに対して、大人の場合には自然に治ることは少ないけれど、努力や経験、成功体験などから緩和しようとすることもできたり、うまく折り合いをつけながら生活していくもの。という部分も異なります。
やはり、こうして改めて比べてみても赤ちゃんの人見知り期と、大人の人見知りでは違う性質であることが分かりますね。
赤ちゃんの人見知り期は、安心できる人と他人とを区別できるようになったことで起こる反応の1つで、発達に置いてとても重要な意味を持っています。
その特徴として、時期が過ぎれば自然となくなったり、すごく緩和していったりします。
人見知り期に入ると、それまでの生後間もない頃のコロコロと誰にでも笑う姿から、突然に、知らない人や関わりの少ない人を拒絶して激しく泣く姿になるので、驚いたり戸惑うことがあるかもしれません。
ですが、それは赤ちゃんが成長した証であり、今まさに成長している証でもあります。
人見知り期が来ると、確かに対人関係でママパパの心労や、手間だったりが増えるかもしれません。ですが、それが成長の証であることをしっかりと理解して、人見知り期の到来を喜んでもらえたら素敵な事だなと思います。
人見知りする赤ちゃんに効果的な対処法
人見知り期の赤ちゃんとの過ごし方では、以下の3つのポイントを意識することが上手に向かい合う方法になります。
- 人見知りについて正しく理解する
- 身体に負担の少ない抱っこ紐などの補助具を活用する
- 赤ちゃんが好きで安心できる玩具や音楽を用意する
それぞれ詳しく解説していきます。
対処法①人見知りについて正しく理解する
人見知りへの対処法の1つ目は、「人見知り期」についての正しい知識をつけることです。
ちょうど、みなさんが今されていることですね。
なぜ直接的な行動ではなく知識を身に着ける意味があるのかと言うと、人は知らないことについて不安になるし、ストレスが強くかかる生き物だからです。
それはつまり、裏を返せば、正しい知識を身に着けておくことで、不安を小さくしたり、かかるストレスをある程度弱めることができるようになるということです。
なので、育児書で調べてみたり、可能なら身近に居る専門家に相談をしたり、信頼出来る人に話を聞くなどすると、少し心の不安が和らぎます。
「人見知り期」について正しく理解すると、今見られている人見知りはずっーと続くものではなく、一過性のものであることも理解出来るようになります。
それは、出口の無いトンネルを行くような辛さから解放されることと言えますし、見通しを持てるからこそ得られる安心感もあるものです。
ただし、闇雲に知識を得ようと思っても難しかったり、間違った知識は効果がないどころか、赤ちゃんや皆さんが不利益をこうむることにもつながりかねません。
知識を集める時には注意点があって、知識を得ることを目的にしないようにして欲しいのと、信ぴょう性の高い情報か自分でもしっかりと判断するようにして欲しいなと思います。
〇子育ての情報にとって”信ぴょう性の高い”情報とは?
後々、詳しく解説する機会があるかとは思うのですが、せっかく信ぴょう性という言葉が出てきたので、少しだけ触れますね。
子育ての情報においての”信ぴょう性高い”情報とは何か?
結論から言うと、保育士や児童福祉司などの専門家、医師や看護師、助産師、臨床心理士、厚生労働省や文科省などが出す知識は信ぴょう性が高い場合が多いです。
特に気をつけて欲しいのは、「○○を育てたカリスマママ」のような専門性を持たないインフルエンサーだったり、聞き心地だけよくて根拠を示していないネット記事なども注意が必要です。
こうした要注意な情報源からの知識というのは、誤った知識だったり、それぞれの個性や家庭の状況に配慮されていないものだったり、発達上適していない方法が勧められていたりすることがあります。
そうした適切でない知識や方法は、そもそも効果が無いばかりか、子どもや家族に不必要なストレスを生んだり、発達や成長に悪い影響が出たり、本来なら必要のなかった労力や心労を感じることになるというリスクがあります。
僕も、こうしてブログやYouTubeなどで、子育ての情報について解説しているわけなのですが、「信ぴょう性の高い情報源」かどうかを判断するなら、あまり信ぴょう性の高い情報源とは言えません。
なぜなら、保育士と名乗っていても無資格かもしれない(無資格が保育士と名乗ると犯罪ですし、もちろん有資格者です)からです。
なので、基本的には対面で話せる専門家やかかりつけ医、などに聞く情報が、安全なことが多く、信ぴょう性の高い情報を得る1番身近な手段だと思います。
対処法②身体に負担のない抱っこ紐など道具を揃える
人見知りへの対処法の2つ目は道具についてです。
人見知りで多く聞く悩みとして、身近な人以外への拒絶が激しいなどは勿論ですが、普段の生活の中で「抱っこをしていないと泣いてしまう」という悩みが多いです。
いくら赤ちゃんとはいえ、やはりずっと抱っこをし続けるというのは大変ですよね。
それに、泣き声には”危険を知らせる役目”もあるので、あえて聞いている人がストレスを感じやすい音になっているのです。
そんな泣き声を、大声で耳元で何度も聞くことになるので、肉体的な疲労はもちろん、実は心理的な疲労もとても大きくなりやすいのです。
なので、負担を減らそうと思うと、肉体的疲労を減らすか、精神的な疲労を減らすかになるのですが、効果が出やすく手軽にできるのが肉体的な負担を減らすことです。
具体的には、心強い味方になる「抱っこ紐」などの補助具をきちんと自分にあったものを選ぶことになります。
抱っこ紐だけみても、値段はピンキリで、素材やカラーバリエーション、デザインなども様々ですよね。
個人的には、抱っこ紐などの大人の身体に装着をするタイプの補助具には特にこだわって選んで欲しいなと思っています。
- 体にしっかりとフィットするか?
- 1人で装着するのに手間や時間がかかり過ぎないか?
- 安全性や機能性は十分か?
こうしたことについて、自分でもしっかりと確かめながら、可能ならお店で実際に試着させてもらったりしながら決めましょう。
身体にフィットしないものは、安全面でも不安がありますし、実は間違った装着の仕方やフィットしていない補助具というのは逆に疲れやすくなったりします。
たかが、補助具と思うかもしれませんが、家事などの為に両手を開けたい時、散歩の時、なかなか泣き止まない時、寝かしつけ……生活の中で予想以上に補助具を使用している時間があるものです。
その時間ずっと、身体に負担をかけ続けるのか、少しでも負担のない物を選ぶのか、メリットがあるのはもうお分かりですよね。
対処法③赤ちゃんの好きな玩具や音楽を用意する
対処法の3つ目は赤ちゃんの好きなおもちゃや、音楽を見つけて、それをいつでも出せるようにしておくことです。
玩具や音楽はたくさん溢れていますが、その中でも、普段からよく聞く音楽、いつでも遊べる玩具というのを1つか2つ用意しておきましょう。
色んな音楽を聞いたり、色んな玩具で遊ぶことにもメリットはあると思うのですが、あまりに雑多になってしまうと消化不良になったり、深く楽しめなかったりもあると思います。
また、”いつもの”慣れ親しんだものに人は安心感を抱くので、人見知りで激しく泣いている時や、赤ちゃんが落ち着かない時などは普段からよく使っている玩具を渡すだけでも大きな効果があるものです。
なぜ音楽と玩具なのか、それぞれについてもう少し説明します。
〇普段から音楽を流してみる
保育園では、多くの時間で音楽が流れています。
遊んでいる最中にも部屋には童謡が流れていたり、お歌を歌う時間があったり、午睡の時にはオルゴールが流れるていることも多いです。
音楽には人の気持ちを、あげたり、落ち着けたりする効果があります。
大人でも音楽で気分が上がったり、心が落ち着いたり、励まされることがあったりと音楽の持つ力は誰しもが感じているのではないでしょうか?
実は赤ちゃんは、早い時期から耳が聞こえていて、一説では胎内に居る時にはもう外の世界の音を認識している。などと言われるほどです。
そうです、子どもたちや赤ちゃんも、音楽のもつ力が効果を発揮するんです。
なので、普段からお部屋のBGMとして音楽を流したりすることをおすすめします。
普段からの音楽になれ親しむと、激しく泣いた時にもその音楽を聞いて落ち着くことがあったりします。
〇握りやすく誤飲の危険のない玩具に慣れ親しませる
玩具というのも、なかなかに侮れない存在です。
玩具って、昔から代わり映えしないし、適当に作っても売れそうと思うかもしれませんが…(あ、そんなことはないですか?笑)
玩具も”商品”である以上、様々な知識や経験をもつ大人が頭を捻って捻って、ようやく商品としての日の目を見ます。
つまり、何が言いたいかと言うと、玩具は子どもが興味をもつデザインで、子どもが好きな配色で、子どもの発達を考えた機能を備え、素材にも拘り、危険がないもの。になるように設計されているものが多いということなんです。
そう考えると、玩具がただの子どもの娯楽ではなく、心強い子育ての味方であることが分かってもらえたのではないかなと思います。
さて、その上で人見知り期の赤ちゃんにオススメの玩具の選び方ですが、以下のポイントに照らし合わせて考えてみましょう。
- 片手で掴むことができるか
- 間違って飲んだりすることがない大きさか
- くわえたり、舐めたりしても危険がない素材になっているか
これを満たしているものであれば、あとは赤ちゃんが好きで普段から遊んでいるもので大丈夫です。
もしまだ、そうしたものが無いのであれば、具体的には、おしゃぶりや、編み目状になったボール、少し大きめのブロックなどがあるので、赤ちゃん用の玩具も調べてみてくださいね。
補助具や玩具については今日調べてすぐに購入というわけにはいかないかもしれませんが、今日の話も踏まえて、楽しみながらカタログや商品ページを眺めてみてもらえればと思います。
人見知りする子どもとの上手な関わり方
人見知りは場数を踏めば治る?
こんな話を聞いたことはありませんか?
「人見知りは慣れだよ!泣いてもいいからどんどん知らない人に会わせて、経験いっぱい積んでいけばその内治るよ!」
果たして本当にそうでしょうか?
答えは、無暗に場数を踏んでも人見知りは治らないし、無理をしたことで人見知りの時期が延びてしまうリスクもあります。
人見知り期にこそ、安心できるママや家族とたくさん過ごして、たくさんのスキンシップを取り、知らない人と会う為のパワーを溜めて、
赤ちゃんの機嫌のよい時に、少しずつ人と会う機会を持つことが大切になります。
人見知りは大好きな人=”安全基地”の存在で緩和する
人見知り期は、これまでに開設したように「個性」や「特徴」ではなく、「発達上の必要反応」です。
なので、無闇に場数を踏んだり、たくさんの人と会う経験を積んだから、人見知りが収まったり、程度が軽くなるという単純なものではありません。
とはいえ勿論、家庭の中で閉じ込めるように家族とだけ過ごすことが良いということでもないわけです。
あくまでも理想的なバランスとしては、普段は家族といっぱい遊んで心のパワーを溜めていって、赤ちゃんに無理のない範囲で機嫌の良い時などに、家族の親しい人くらいから徐々に経験を積んでいくことです。
例えば、ママの友達に会ってみたり、親戚に顔を見せに行ったり、公園や児童館などで近い月齢のお友だちと同じ場所で遊んでみたりするのも良いでしょう。
赤ちゃんのタイミングに合った時に、良い経験を得られるかそうでないかに大きくかかわるのが、”安全基地”の存在が大きく関わってきます。
次は「安全基地」とはどのような存在なのかについて詳しく見ていきましょう。
安全基地とは安心できる愛着関係を結んだ存在
安全基地というのは、秘密基地の様な物理的な基地ではなく、ママをはじめ家族など、赤ちゃんが大好きで安心できる人のことです。
その人が見てくれることで、安心して遊ぶことができる。
その人の声が聞こえるから、穏やかに過ごすことができる。
その人が居てくれることで、少し遠くまで探索しようと思えたり、関わりのない人と関わろうと意欲が持てる。
そうした赤ちゃんにとって心の拠り所であり、元気の源とも言えるような存在が安全基地という存在です。
では、そんな安全基地という存在になるにはどうすれば良いのでしょうか?
普段からの関わりが安全基地という存在の基盤になる
文章で見てみると、もの凄い高尚な存在の様に思えてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
では、安全基地という存在になる為にはどうしたら良いのでしょうか?
答えは、すごくシンプル。
普段から赤ちゃんとの関わりを多く持ち、コミニュケーションやスキンシップをいっぱいいっぱい重ねる。
これだけなんです。
そんなんで良いのなら、世の中のママやパパはみんなそうじゃないか!と思われるかもしれませんが、その通り。
一部の虐待を犯すような不適切な関係をもつ人を除いて、赤ちゃんとしっかりと向き合っているママやパパはみんな知らずの内に、お子さんにとっての「安全基地」となっているのです。
それでも、自分はまだそんな存在にはなれていないと自信が持てない人は、今日から次ことを意識して赤ちゃんと関わってみてください。
難しいことは一つもありません。
赤ちゃんとたくさん遊んで、たくさん見つめ合い、たくさん喋りかけ、たくさんスキンシップをとりましょう。
そして、赤ちゃんが困った時にかけつけ、赤ちゃんが喜んでいる時に一緒に楽しみましょう。
ここにあげたことを実践する為に、無理をする必要はありません。
赤ちゃんとの関わりに集中するあまり、家事や仕事が疎かになることはきっと赤ちゃんも望んでいませんからね。
「たくさん」は、人によって家庭によって違います。みなさんなりに、よく関わっていると思えたら十分なんです。
これが、僕の思う「安全基地」という存在への1番の近道になります。
その家庭の中の、それぞれの役割を大切にしながら、赤ちゃんとの時間が取れる時に、意識してめいっぱい楽しむ。このくらいの心づもりがあれば十分です。
子育てには、誰もに共通した正解がありませんし、家族のペース、子どものペース、ママのペース……それぞれのペースを守ることが、子育てを辛く感じない為の1番効果的な方法なのです。
特定の人への人見知りには〇〇が効く!
「人見知り期」の悩みの中で、保育園でもよく相談されるのが特定の人への人見知りです。
例えば「パパ見知り」や、「おじいちゃん見知り」、「おばあちゃん見知り」、また「男性見知り」などはよく聞きます。
おそらく、こうした悩みへの多くの回答は、赤ちゃんに無理のない範囲でそうした人と会う機会を増やしましょう、というのものが多いかなと思います。
確かにそれは間違ってはいないのですが、きちんと伝えるには少し説明不足だと個人的には考えています!
そうですよね、「人見知り期」は無暗に経験を積めばなんとかなるものでは無いからですよね。
ここまでの解説を読んでくれた方は、きっと僕に言われる前から分かっていたのではないかと思います。
では、どこが説明不足で、どんな説明を加えたら「特定の人への人見知り」に効果的な対策となるのかというと、たくさん関わる経験を積むために、
安全基地となる存在が一緒に居ることが必要という点と。
赤ちゃんと特定のその人にばかり目がいってしまいがちになるけれど、安全基地となる人と特定のその人との関わりも同じくらいに重要である。という点です。
それではその2点について、少し詳しく解説していきます。
赤ちゃんの社会は安全基地を軸に広がるもの
赤ちゃんの世界というのは、まずは「自分」の存在と、衣食住を「世話をしてくれる人」という、すごく狭い社会から始まります。
それから半年ほど経つ頃に「人見知り期」にさしかかり、「自分」と「安心できる人」そして「それ以外の人」と少し社会が広がりを見せ、
人見知り期が終わる頃には、「それ以外の人」が更に「興味のある人」、「興味のない人」のように区別されるようになってきます。
そして、成長と共に、色んな人に出会い、更に社会が広くなっていくのです。
大人になると、自分を軸に社会を広げたり、友人を軸にしてそのお友達に会ったりすることがありますよね。
ですが、人見知り期の頃の赤ちゃんにはまだ「自分」か、「安心できる存在」しか軸がありません。(「それ以外の人」は軸になり得ないので)
人見知りをされてしまう人というのは、言うなれば”赤ちゃん自身の軸では”折り合いがつかなかった人。とも言えます。
だったら、もう一つの軸から、その人との関りを深めれば良いのです。
それが、ここで紹介する特定の人への人見知りに効果的な方法、「安心できる存在」を軸にして赤ちゃんの社会を広げるということです。
具体例:パパ見知りへのママの対応
具体的には、赤ちゃんが見ている時に、安全基地となる人が人見知りされている人と仲良くする。これだけです。
例えば、パパ見知りをされているパパと、安全基地になっているママが仲良くする。ということになります。
この時に赤ちゃんはママに抱っこされてても良いし、少し離れた所で1人で遊んでいても大丈夫です。
とにかく、特定の人見知りをされている人と、赤ちゃんにとって信頼出来る人が、赤ちゃんと同じ空間の中でよくコミュニケーションを取ることが大切なんです。
たったそれだけ?と思うかもしれませんが、実はすごく効果があります。
赤ちゃんは社会的な動物で、周りをよく見ています。
そして、自分の身に何かあった時に守ってくれる、安全基地となる人のことはより注視するようになっています。
なので、ママがにこやかに穏やかに話している姿を見ることで安心して、ママが楽しそうに話している人は自分にとっても危険が無い人だということを、無意識に察することができるんです。
勿論、その日のうちに完全に人見知りされなくなる、なんてことはありませんが、無理に関わったり、泣いているのに抱っこさせ続けたりしてみるよりも、効果が大きく、何よりも赤ちゃんへの負担が少ない関わり方になります。
もし、身近に特定の人見知りされる人が居たら、まずは赤ちゃんと同じ空間で穏やかに過ごす。
これだけをしてみてください。最初は警戒したり、目が合うと泣いてしまったりすることもあると思いますが、次第に同じ空間でも遊ぶようになり、いつかは好奇心が勝って赤ちゃんの方からその人を見つめたり、近寄ったりするようになるはずですよ。
人見知りの激しい子を施設に預けるのが不安
最後に、赤ちゃんを保育施設などに預けることが多い方が感じる悩みや不安に触れて終わろうと思います。
お仕事の都合や、家庭の都合で産後すぐに働いたり、介護や看病があって、どうしても子どもを預ける必要があるケースも少なくないと思います。
リモートワークで、家にいるけれど手が離せないというケースも近年は増えていますよね。
人見知り期になると、それまで平気だった保育施設の先生に人見知りしたりすることもありますし、そもそもママと離れるのが嫌で登園時に激しく泣く子も多いかと思います。
そんな我が子の姿に後ろ髪をひかれながらも、やらなければならないことと向き合うことに苦しさや、葛藤を感じている方もいるのではないでしょうか?
安心するのは難しいけど先生を信頼してみる
保育施設に預ける時には、人見知り期でなくても不安や寂しさから泣いてしまう子は年齢を問わず多いです。
朝早くに用意して、一緒に登園して、いざ離れる時に激しく泣かれてしまうと、子どもに申し訳ない気持ちになったり、不安になったり、保育施設で楽しく過ごせているのか?と疑う心も出てくるかもしれません。
まず、1番にお伝えしたいこととして、どんなに朝に激しく泣いた子でも、日中に楽しく過ごせる時間が必ずあります。必ずです。
いくつか例外があるとするならば、体調を崩している場合や、ほとんどないし、あってはならないのですが保育施設に重大な問題がある場合です。
また、登園時に泣いてしまうことが多い子も、担任の先生だったり、好きな先生なら泣かない、泣いてしまっても好きな先生と過ごすことで落ち着く場合がほとんどです。
保育施設には、それこそたくさんの玩具や音楽があり、壁面には可愛い飾りがあり、自分が作った製作などが貼られていたりします。
こうしたものは、子どもたちの興味を引きやすく、慣れ親しんだものに安心感をもちやすいように設定しているものです。
朝は激しく泣いて、午前中は好きな先生に甘えて、お昼寝起きで泣いてしまっても、おやつを食べてからはニコニコ。こんな感じで生活をしている子どもたちは、本当によく見られることなんです。
なので、なかなか保育風景を見たり、保育施設で過ごしている子どもの姿を見るということが難しいので、安心するのは難しいかもしれません。
ですが、保育施設は子どもたちに関する専門家が複数いて、家庭よりも多くの玩具や音楽で溢れ、安心を感じ、見通しをもつためのデイリールーティンがあります。
子ども達が安全に、安心しながら、楽しく過ごす為の施設が保育施設であり、専門的な知識と技術をもって子どもたちと関わるのが保育士などの先生になります。
そうした部分を信頼してもらえると、安心するまではいかなくても少しだけ不安が和らぐのではないでしょうか
それぞれのペースで「人見知り期」と向き合う
人見知りをする子どもとの関わり方として、人と関わる経験の持ち方、特定の人見知りへの効果的な方法、そして人見知りする子を保育施設へ預ける時の心持ちについて解説しました。
人見知りは発達上の反応であり、個性とは異なるので無闇に場数を踏んで経験を積めば良くなるというものではありません。
勿論、だからといって誰とも関わりを持たずに保護することが良いわけではなく、赤ちゃんや家族のペースで調子が良い時には誰かに会ったりしてみる。というのがバランスの良い経験の積み方かなと思います。
特定の人への人見知りは、赤ちゃんとの関係性が難しい場合があるので、安全基地となるママや家族がその人とコミュニケーションを取る姿を見せるようにしてみましょう。
ママがにこやかに話しているなら、この人は安全かもしれない?と段々と赤ちゃんが感じると、自分から近づいたり、じっと見つめたりするようになります。
即効性はありませんが、じわじわとしっかり効いてくる関わり方なので是非今日から実践してみてください。
また、登園時に泣いてしまう子も、日中は穏やかに過ごすことがほとんどで、体調が悪いなど特別な理由がない場合には、日中の多くで泣いたり機嫌が悪いことがあっても、どこかの時間では必ず穏やかに過ごしたり、笑顔が見られます。
泣いている我が子と離れるのに、安心してくださいというのは酷かなと思うので、せめて保育施設には専門家がいて設備も整ってるから信頼してみよう。
そう思ってもらえたら良いなと思います。
それでは、また一緒に学ぼうね!ばいばいーい
コメント