はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。
全国の沿岸部で、津波の警戒が続いています。一部地域では警報や注意報も出ているようなので、最新の情報が得られるようにしましょう。
ご家族の命を守ることを最優先にしつつ、警戒情報の出ている地域の知り合いの方とも情報を共有して、備えてください。
なんでも、観測史上初めての海外の噴火が原因となる津波とのことで、過去の津波とは異なり、何が起こるのかが分かっていません。
日本での地震による津波とも異なり、今も継続的に警報が出て、警戒感が高まっています。
なので、少しでも津波の影響がある可能性がある地域の方は特に、用心に用心をして、ニュースなどで情報を収集しながら適切な、命を守る行動を取って欲しいと思います。
さて、今回は最近読んだ『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』という本から感銘を受けたことを紹介したいと思います。
それは、「自立する」ということの本当の意味についてでした。
では、さっそくいってみましょー!
「自立する」の本当の意味とは?
著書の紹介
今回の参考にさせてもらう著書『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』は、
「iPS細胞」関連でノーベル生理学・医学賞を受賞された、山中伸弥教授と、
山中教授の医学部時代の同級生で、小児科医と小児脳科学者として活躍されている成田奈緒子先生による共同著書になります。
お二人の対談形式になるので、育児書などをよく読む人には少し物足りない部分もあるかもしれません。
ですが内容は十分に学びのあるものでした。
お二人ならではの専門的な知見であったり、お二人の生育歴を紐解きながら、子育てに必要な心構えや、子育てに向かう姿勢、そして子ども達の為に本当に養いたい力。
こうしたことについて書かれています。
日本人特有の「自立」の考え方
素晴らしい著書の批評や、抜粋しての解説は、きっともっと見識の深い方がされていると思うので、
この記事では著書の内容を受けて僕が感じたこと、保育士として納得したことなどを扱います。
まずは、自分自身がすごくハッとさせられてしまって、感銘を受けた「日本人特有の自立の考え方」についてお話します。
当然に思っていた保育目標の「自立」
保育士の共通する保育目標にも、子どもの「自立」という言葉が出てきます。
内容としては、食事の自立であったり、排泄の自立や衛生面の自立、生活の自立などです。
具体的には、スプーンの使い方や箸の使い方、オムツが取れること、うんちを自分でトイレでして拭き残しなく処理できるようになることなどを指しています。
これ後で詳しく触れるんですけど、このことに何の疑問も持っていなかったなと感じました。
日本特有の「自立」は不可能なのに求められる無理ゲー
少しだけ違う方向として保育目標の自立にも触れました。
いよいよ、日本人特有の自立という考え方について、思考をめぐらせてみましょう。
日本人の文化や子育ての環境、働き方などの要因も大いに影響していると思うのですが、
日本人の考える「自立」は、日本特有のもので、本来の意味での「自立」とは異なると言います。
日本人は、「自立する」ということを
なんでも自分でできるようになること。
だと考えていると言います。
具体的には、自分で働いて生活をして、家賃を払えるようになること。
こうした考えが日本では当たり前の価値観になっていて、そこに違和感を覚えるということでした。
なぜなら、人間が生活をする以上は調子の波があったり、心の浮き沈みがあったり、得意不得意があったり、いつでも何でもできることは誰にもないからです。
それでも、何でも1人でできなければならない!と頑張れることもあるかもしれませんが、それを続けることは不可能です。
日本人特有の自立は、はなから走りきる事ができない無理ゲーだったのかもしれません。
そもそも、仕事にしても生活にしても、誰かの力は必ず必要になります。
そんな当たり前なことすらも、隅に追いやって「自分でなんとかしなくちゃ!」と、無理をしてしまう人が日本人には多いです。
僕はこれは、誰もに言えることであり、子育て中の人はその考え方が顕著になりやすいのではないかと感じました。
子どもを守らなくちゃ、立派に育て上げなくちゃ、なんでも自分で出来る自立した子にしなくちゃ、
そんな使命感が、助けを求めることができずに辛くなってしまうママやパパを生んでしまっているような気がしませんか?
本当の「自立」とは「必要な助けを求めることができる」こと
成田先生も山中教授も、そして僕も、自分一人でできるようになるということを否定したいわけではありません。
保育の自立も、やはり時間をかけてでも達成できる方が良いに決まっています。
でも、それが全てに当てはまることでは無いということに、僕は考えもよらなかったなと思います。
本当の自立とは、
自分でできることは自分でやるけれど、できないことも認めて、必要に応じて周りに助けを求めることができること。
これこそが、無理ゲーでもない、本当の自立になります。
成田先生はこの考え方を、自身が関わりを持つ障がいを持った方から聞いて、深く感銘を受けたそうです。
どうしても日本人は、助けを求めることが苦手だったり、ともすれば恥ずかしいこと、屈辱的なこと、と捉えている人も少なくないと感じます。
生活保護などの制度に対して消極的なケースがあるのも、この自立の歪みもあるのかなと感じました。
自分で出来ることは、自分で出来る時に自分でできたら良いですよね。
でも、どうしてもできないことや、体調や得手不得手で難しいこと、特別な理由でできないこと、
それを自分で認めて、周りに助けを求める。この力を養っていかなくてはいけないし、
周りは「必要なら頼ってきなさい」という空気や環境、文化を作る努力をしていかなければならないなと思います。
それは、障がいの有無に関係なく、人に頼ることが苦手な僕のような人も含めて、
みんなが本当の自立をする為に必要なことかなと思います。
本当の自立をすると「心はしなやか」になる
今回は、「自立」という人生においての大きな目標について考えてみました。
これまでの日本人の自立という考え方は、自分でなんでもできるようになり、手に職をつけ、自分で生活費を捻出して暮らしていける。
という意味合いが強くありました。
しかし実際には、手に職をつけスキルもたくさん身につけていても、体調や心を壊してしまう人や、自己肯定感が低く、自分の人生の幸福度が極端に低くなっている人もいます。
それが意味するのは、それまでの自立には何か足りないことがある。ということだと思うのです。
自立する為に重要な「必要な時に助けを求めることができる」というスキルです。
もし、仕事や家事、育児の中でどうしようもない辛さを感じていたら「自分はちゃんと人を頼れているだろうか?」と確認してみてください。
きっと、多くの問題は近くにいる人や、専門家、国や自治体のサービスや制度に頼ることで解決されものだと思います。
手は差し伸べられているのに、その手を取る事ができないのであれば、それは、あなたが強いからではなく、本当の意味でまだ自立ができていないからかもしれませんよ。
また、人に助けを求めることができると、以前に紹介した「心のしなやかさ(レジリエンス)」も高まることが分かっています。
心のしなやかさは、自己肯定感にも深く関わりますし、ストレスへの上手な対処ができるようにもなる大切な「心の強さ」の形です。
ぜひ、本当の意味での「自立」と、「心の強さ」を身につけるためにも、
今日から少しずつでよいので、困った時、必要な時に誰かに助けを求められる強さを育てて行きましょう!
僕自身もこれは、すごく重大な自分の課題だと感じているので、みなさんと一緒に頑張りたいと思っています。
では、今日も元気にいってらっしゃーい!
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