子どもが同じ遊びばかりをしている・・・
同じ歌の同じフレーズしか歌っているのを見たことがない・・・
他の子は違うことに興味を持ち始めたのにうちの子だけが同じ遊びをしたがる・・・
こんな子どもの姿に戸惑ったり、どうしてずっと同じことをしているのか理解してあげられない。
これって、固執しているってこと?と不安になったりしていませんか?
今回はなんで子ども達は「繰り返し」が好きなのかについて解説をしていきます。
今日のポイント
この記事を読むことで以下のことについて理解を深めることができます。
- 子どもが「繰り返し」を好む理由
- 「繰り返し」にどう対応したら良いのか?
- 発達の特性としての「固執」とは?
子ども達は「繰り返し」を楽しみたい
はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。
今日のテーマは子ども達の「繰り返し」についてです。
僕は乳児クラスの担任が多かったので、保育中にもこうした姿を多く見ました。
何の曲だったかは忘れてしまったのですが、ある曲のサビに入る前のフレーズだけがクラスで流行って、誰かが歌い出すとみんなしてそのサビ前まで歌い出すという時期がありました。
何がすごいって、特にサビを歌わない理由もないし、お友達と示し合わせたわけでもないのに、誰もサビにはいかずに、みんなしてサビ前のフレーズだけをリピートして楽しんでいたあの団結感ですね。
この姿からも分かる様に、子ども達は基本的に「繰り返し」が好きなんですよね。
繰り返しが楽しいし、繰り返しに安心するし、繰り返しが心地よいから、大人からすると「またか・・・」と感じてしまうこともあるくらい一つのことを繰り返すものです。
まず、子ども達が何かを「繰り返す」という姿は、決しておかしなことでも、珍しいことでもないということを知っておいてください。
その上で、なぜ心地よいと思うのか?について解説をします。
繰り返しの「心地よい」とは?
子ども達が繰り返しを好むのは、それに心地よさを感じるからです。
では、具体的には「繰り返す」ことによって、どんな感覚を得たり、どんな心の動きがあるのでしょうか?
- フレーズや触感などによって「五感」が気持ち良く感じる
- 繰り返して「再現」できることに安心する
- 繰り返しでないものに緊張する
それぞれ説明を少し加えますね。
1.「五感」が気持ち良く感じる
まず分かりやすいのが、僕のクラスの子ども達の様に好きなフレーズを繰り返すことによって、フレーズの語感を楽しんだり、耳に入った時の聴覚に心地よさを感じている様な「五感」で心地よさを感じているというものです。
他にも、砂場でスコップではなく手で掘ったりするのが好きなら「触覚」を、ママの匂いや、洗濯物の匂いが好きなら「嗅覚」をといった具合に、五感で心地よさを感じることは多いです。
また、五感を刺激する様な行為は、基本的には自分の体一つで行えるものが多いですし、手軽さもあいまって子ども達のよく見かける姿となっているのかもしれません。
2.「再現」できることに安心する
次に「再現性」による安心感も、心地よさに繋がっていると考えられます。
例えば、毎日ブロックを使って遊んでいる子が、何度も何度も同じ物を作ったり、横に並べては壊してまた並べて、積んでは崩して積んで、こんな遊び方をしているとします。
この場合には、オブジェを作った「達成感」や崩した時の「爽快感」や「背徳感のようなもの」、「目や耳への刺激」も心地よさになりますし、
一度崩しても同じものを作ることが(再現)出来ることに、安心感をおぼえ、それが心地よさに繋がっています。
3.繰り返しでないものに緊張する
心地よさを感じられない行動を避けたいという心理も、「繰り返し」を選択する一つの要因です。
例えば子ども達は、初めてのことが苦手な傾向が強くあります。
これは悪い事では無くて、きちんと自己の防衛本能が働いているからこその正常な反応なので安心してください。
もし、「繰り返し遊んでいる遊び」と「初めて見る遊び」を選べるとしたら、多くの子は「初めてみる遊び」は得体が知れなくて緊張してしまって、心地よさを感じることは難しそうなので、そちらを選択しようとはしないでしょう。
もちろん、どんな環境なのか、誰が誘ったのか、どう誘ったのかにも大きく左右されますし、もしそうでなくても好奇心が勝ることも多いのが子ども達の凄さでもあるのですけれどね。
子どもの「繰り返し」は本人が満足するまで見守る
子どもの繰り返しは「心地よさ」や「安心感」を感じる行動だということが分かりました。
では、そんな繰り返しをする子ども達にはどう対応したら良いのかと言うと、基本的には「本人が満足できるまでさせてあげて、それを見守る」のが良いと思います。
子ども達は、繰り返す中で自分自身と向き合います。
この遊びの中で獲得できるもの、この玩具によって獲得できるもの、そういった「発達課題」と呼ばれるものを無意識で分かっているのです。
なので、繰り返して遊ぶということは、それだけ「心地よさを感じる」か「達成したい課題がある」ということになります。
そうした姿を見守り続けていくと、自然と子どもの方から、それまで繰り返していた遊びや行動から離れていきます。
その瞬間こそが、子どもが満足するまで楽しみ尽くした状態であり、達成したかった課題を達成した瞬間であり、これまでの様に「心地よさ」を感じられなくなった成長の証になります。
玩具や遊びからの「卒業」と「飽きる」の違いを解説したこちらの記事でも触れていますので、よければこちらの記事もご覧ください。
「繰り返し」か「固執」かの見極め方
最後に、子どもが「繰り返し」をしているのが、それを楽しんでいるからなのか、心理的な要因があって「固執」しているのかを判断する方法について軽く触れて終わりたいと思います。
改めて書きますが、子ども達が「繰り返し」を好むというのは、一般的な姿であって悪い事ではありません。
ですが、それが他の行動に悪影響があったり、その行動をしないと生活にも支障がでているということであれば、注意して様子を見る必要はあるかもしれません。
ここで大事なのは、「周りの大人の感情」ではなくて、「客観的に生活や行動に支障がでている」のかになります。
ただ、この見極めは保育士でもなかなか難しい部分があって、ママパパだからこそ冷静な判断が難しいことでもあります。
もし、子どもが繰り返し行動にこだわって、次の行動や生活に明らかに支障が出ているようであれば、発達の専門家である小児科医や心理士などに一度相談してみるのも良いのかなと思います。
「繰り返し」もいつかは見られなくなるもの
子ども達の繰り返し行動について解説をしてきました。
子ども達に関わる悩みや不安というのは、ほとんどの場合で時間と共に見られなくなっていくものです。
当事者は辛いこともあったり、不安なこと、疑問に思うこと、戸惑うことも多いとは思うのですが、いつかはそんな姿も見られなくなってしまうので、その瞬間も少しだけ楽しんでもらえたら良いのではないかなと思っています。
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