子ども達への「ご褒美」の考え方【day40】

この記事は約7分で読めます。

 子どもへのご褒美って何をしたら良いのだろう?

 子どもに望まれるままにおもちゃやゲームを買い与えてしまっている・・・

 子どものやる気をあげるご褒美ってどんなもの?

 こんな悩みや疑問をお持ちの方も少なくないのかなと思います。

 今回は、子ども達が何かを達成した時や、頑張った時の「ご褒美」に迷った時のヒントとなる考え方を解説していきます!

今日のポイント

 この記事を読むことで以下のことについて理解が深まります。

  • なんの為にご褒美をあげるのか?をはっきりさせる
  • やる気には「内的動機づけ」と「外的動機づけ」がある
  • 子どもが自分からやる気を出せるように導く

 では、さっそくいってみましょー!

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なんの為に「ご褒美」をあげるかを明確にする

 はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。

 今回も心理学の内容を多分に含んだ内容となっております。

 そろそろ気づいた方もいるかもしれませんが、RyU先生は「心理学」が好きです。児童心理学の専門書を専門学校時代に買って読むくらいには好きです。

 なので、これからも子育ての悩みに保育の視点からはもちろんですが、心理学の視点も交えながら解説していきますので、お楽しみに。

なんとなくで「ご褒美」をあげてしまっていませんか?

 子ども達が何かを頑張った時や、何かを我慢することができた時、何かしらの結果を残すことができた時、「よく頑張っているね!」、「おめでとう!」という気持ちを込めてご褒美をあげたりしますよね。

 その「きっかけ」はそれぞれで良いと思っています。

 何をしたら、その子にとって頑張ったことになるのか、結果と言えるのか、そうした価値観は極端に甘いとか極端に厳しいとかでなければ、家庭の数だけ、親子の数だけあって良いと考えています。

 問題になるのは、「そのご褒美をあげる「目的」は何ですか?」ということです。

 ただ、なんとなく何かを買い与えてしまっている場合には注意が必要かもしれません。

 「ご褒美」に意図が込められていないことを、子ども達は鋭く察します。

 そして、「これをしておけばお菓子をもらえる」、「これをすればゲームができる」と学んでしまって、『何かをしたから、ご褒美がもらえた』ではなく『ご褒美をもらいたいから、何かをする』に目的がすり替わってしまう危険があります。

 目的がすり替わると、初めはやる気も出ますが、途中から頑張れなくなったり、結果が出なかったりすると「ご褒美」という目的のものがもらえず、やる気はどんどん悪い連鎖をしながら低くなってしまいます。

 反対に、「ご褒美」に意図が込められていれば、それもまた鋭く察する子ども達は、しっかりと目的を見誤らずに『頑張っていれば認めてもらえる。その結果としてご褒美ももらえたりするかもしれない』と考えることができるようになります。

ご褒美をあげる目的を明確にもてば子どもにも伝わる

 では、ご褒美の目的について考えてみましょう。

  • 努力や結果を認めて、お祝いをするため
  • ご褒美が次に頑張るきっかけになってほしいため

 大きくは、この二つが「ご褒美」をあげる目的になるのかなと思います。

 子どもが頑張った、結果を残した事実に、「よく頑張った」、「おめでとう」という気持ちを形にして渡してあげる。

 次もまた頑張って欲しいから、このご褒美でまた頑張るやる気を持ってほしい。

 こうした考えであれば、子ども達は目的を見誤ることなく、次に向かって頑張ることができるのではないかなと思います。 

やる気には「内的動機づけ」と「外的動機づけ」がある

 少しだけ心理学の話をしましょう。

 私たちは「やる気」というものを自覚しているし、なんとなくであれば他人のやる気を測ることができたりもします。

 そんなやる気には二つの種類があります。

 それが、今回のテーマである「ご褒美」などによる『外的動機づけ』と、楽しいから頑張るような『内的動機づけ』です。

 仕事のモチベーションは多くが、「収入」という外的な要素から発生するので、「給料もらうために嫌だけど仕事するぞー」は典型的な『外的動機づけ』によるやる気になります。

 また、一部の趣味のように、自分の好奇心を満たしたり、その活動をすることで癒されたり元気をもらえたり、自分の心や感情といった内側からくるものが『内的動機づけ』によるやる気の正体です。

 もちろん、仕事も趣味もそこまで単純ではないので、仕事にも「内的動機づけ」は見つけられますし、趣味だって「外的動機づけ」は欠かせません。

「ご褒美」は基本的には『外的動機づけ』のアプローチ

 子ども達の立場になって「ご褒美」を考えてみると、ご褒美という外的な要素によって次へのやる気を出すことができているので、

 「ご褒美」というのは基本的には『外的動機づけ』のアプローチをしているということになります。

 外的動機づけは、即効性が高く、やる気もグッと上がりやすいことが分かっています。

 その半面で、トラブルなどがあると急激にやる気が下がってしまったり、与えられる「ご褒美」(心理学的には『報酬』と呼びます)がもっと良いもの、もっと多くのものを欲しくなってしまうというリスクがあることも分かっています。

子どもへのご褒美は「もの」だけではない

 「ご褒美」と言われると、自然と物だったりお金だったり、食べ物だったり、何か形のあるものを想像してしまいがちなのですが、ご褒美はものだけではありません。

 特に子ども達が喜ぶ「ご褒美」は、「ママパパから認めてもらうこと」、「一緒に喜ぶこと」、「褒められること」、「ハグしてもらうこと」、のような形のないものだったりもします。

 こうした形のないご褒美は、人から与えられるものなので『外的動機づけ』でありながら、子ども達の心を満たすものでもあるので、『内的動機づけ』に繋がりやすくなっています。

 『内的動機づけ』は自分自身で望んで行動ができる「やる気」といえるので、形のあるご褒美も上手に活用しつつ、最終的には子ども達がすすんで行動できるように導いていくことができると良いですよね。

目的をもって2つの「やる気」へのアプローチを工夫する

 今回は、子どもたちん頑張りや、何かの結果を残せたときなどに与える「ご褒美」について解説しました。

 やる気には、他者から何かをもらう「外的動機づけ」によるやる気と、自分の中を満たすための「内的動機づけ」によるやる気があります。

 外的動機づけは主に形のあるものが選ばれやすいので、効果が大きく、すぐに効果が表れやすい半面で、やる気の持続は短かったり、ご褒美が目的になって「もらえないからやりたくない」という影響が出やすいデメリットももっています。

 ただ、上手に活用することができると、「外的動機づけ」は「内的動機づけ」へと繋げることもできるので、目的をはっきりとさせて「ご褒美」を与えることができると良いのかなと思います。

 子ども達は、確かにお菓子やゲームも好きですが、それ以上にママパパや周りの大人に見てもらえている実感や、褒められることが大きなご褒美だったりします。

 それは目に見えないし、形に残るものでもありませんが、確かに子ども達の心の中に蓄積されて、子ども達が自分からやる気を出す際の糧となるものです。

 なぜご褒美をあげるのか?物であげるのか?物以外なのか?

 そうしたことを考えることができるようになると、なんとなくご褒美をあげてしまって、特に子どものやる気もあげることができない。なんてことにはなりにくくなると思います。

 色んな工夫をしてみてくださいね。

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