得意なことよりも好きなことに自信を持った方が圧倒的に良い理由【保育ちょい足しvol.9】

この記事は約8分で読めます。

 自分の保育に自信がない・・・

 子ども達にとって魅力的な保育ができているだろうか?

 自分にも何か自信が持てることが欲しい・・・

 こんな風に悩んでいる先生も多いのではないでしょうか?

 今回は、自分の保育や、子どもとの関りの中で芯となるような自信の持ち方について解説です。

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今日のポイント

 この記事を読むことで以下のことについて理解が深まります。

  • 「相対評価」より「なんちゃって絶対評価」で自信の芽を見つける
  • 得意なことよりも好きなことが絶対的に良い理由
  • 一つ自信が持てると視野はぐっと広まる

 では、さっそくいってみましょー!

得意なことよりも好きなことに自信を持った方が圧倒的に良い理由

 はい、みなさんこんばんは!男性保育士のRyU先生です。

 今回は保育者の自信の持ち方について解説をしていきます。

 本筋に入る前に「自信を持った方が良い、自信は危険だ論争」についての僕個人の意見をのべますね。

自信を持った方が良い、自信は危険だ論争について

 より良い保育の為に自信を持ちましょうと言うと、時折「保育に自信なんて持つものではない」、「自信なんて考えるから慢心して事故が起きる」という論調で異を唱える方がいたりしますが、”この話題の中で”その反論は明らかにおかしいです。

 じゃあ、「あなたは自信なく保育をして、その自信のない状態で仕事と向き合い、自身のないサービスで利用者からお金をもらっているんですか?」となるからです。

 と、こう言ってしまうとお互いの正義がぶつかり合うだけですね。

 この論争は実は意味がなくて、どちらの主張も正しいし、これらの主張は同じ「自信」について話しているようで実は違う「主義主張」の話をしています。

 自信を持ちましょうという主張は、「保育というサービス・業務における個々人の向き合い方を重視していて、自信なく業務にあたることの不誠実さや利用者のデメリット」の話をしています。

 自信を持つと危ないという主張は、「対人であることを重要視して、保育には、子どもとは清廉潔白に向き合うべきだし、慢心することでのリスクを考えなくてはいけないよね」という話をしています。

 僕はこうした主張はどちらも正解だと思っています。もちろん例のように極端に考えたりはしませんが。

 一つ言えるのは、どちらの主張をする人も「仕事」に対してだったり、「保育」に対して誠実に向き合っているのだろうなということです。

自信は得意なこと、好きなことどちらから見つけたら良いか?

 自信を持つって難しいですよね。

 「あなたは自分の保育に自信がありますか?」と聞かれても、正直「うーん・・・」となりますが、保育って広すぎますよね。

 例えば僕だったら、「子ども達の話を聞くこと」、「遊びを一回で完結させない工夫をすること」に関しては自信があります。

 でも、自信を持っている「子ども達の話を聞くこと」、「遊びを一回で完結させない工夫をすること」という2つについて、それは「得意なこと」か?と問われたら、

 まだまだ全然至らないところばかりだし、僕よりも上手にそれらをしている先生を実際に何人も見てきたし、得意だなんて言えません。

 じゃあなんで自信が持てているんだという理由は、「子ども達の話を聞くこと」、「遊びを一回で完結させない工夫をすること」が好きで楽しいからです。

 好きで楽しいから、「もっと工夫しよう」、「もっと配慮できる部分はなかっただろうか」、「どうやったら子ども達がもっと興味を持つかな?」、「もっと楽しく遊べるかな?」と真摯に向き合えます。

 真摯に向き合い続けると、人と比べてしまったら得意ではないかもしれないけれど、自分なりに考えて行動した事実が確かにあって、その中に子ども達の嬉しそうに話してくれる姿だったり、楽しく遊んでくれている姿があって、

 これからもその姿勢で無理なくいられると思えたら、それは自信と言ってもよい、自分を支えてくれるものなんじゃないかなと思うのです。

相対評価よりも自分の中の絶対評価が重要

 自信を持つと時に、得意なことを伸ばすべきか、好きなことを伸ばすべきかと考えたことある人も多いのではないかなと思います。

 僕個人的には、圧倒的に「得意なことよりも好きなことを伸ばした方が良い」と考えています。

 その理由は、「得意なことは相対評価でしか測れないもの」ということと、「絶対評価は難しいけれど好きが見つかるといつかは得意になる」という2点になります。

 それぞれ説明を加える前に、相対評価と絶対評価について簡単に説明します。

相対評価と絶対評価

 どちらも元々は学校教育の中で使われていた評価方式のことです。

 今では、一般的な評価の中でもときおり使われたりすることがありますね。

 相対評価は、その名前の通り、他者との比較によってその人の評価をすることで、相対的にどの程度の力があるのかを見る方法です。

 絶対評価は名前だけだと分かりにくいのですが、他者との比較だった相対評価とは異なり、定められた目標設定に対してその人がどれだけ達成することができているのかを評価する方法になります。

相対評価は簡単にできるけれど辛くなることの方が多い

 相対評価はメリットとして、すごく分かりやすいということがあります。

 保育にかかわるものだと数値が出ないのでちょっと複雑ですが、それでも「あの人は自分よりも声掛けが上手だ」とか、「あんなに上手にピアノ弾けない」とか、「やっぱり先輩方の知識量はすごいな」とか、肌感覚で自分と相手を比べてしまったりしますよね。

 それは勉強におけるテストのように数値としてはっきり出るものではないですが、誰しもが良くも悪くも簡単に他者と自分とを比較することができているということだと思います。

 僕が相対評価での自信をおすすめしない理由としては、一握りの才覚ある人を除けば、自分が得意と思えるものも「世の中にはもっと得意な人」が数えきれないほどいるからです。

 クラス担任の中では得意と思えても、保育園の中では?グループの中ではどうでしょう?

 もし、グループの中でも得意と言えるとしても、そのグループから出てしまえば、世の中には※保育士資格を持つ人が2018年調べで約154万人もいます。

※参照:厚生労働省「保育士の現状と主な取組について

  その154万人と比較をしていって、得意が得意のままでいられることは、一般的には不可能と言っても良いですよね。

 そして、得意が得意でなくなった瞬間に、自分を支えていた自信が瓦解するのですから、やはり相対評価はハイリスクだなと思います。

 もちろん、自分で得意の中に基準を設けたり、ここから先は比べないと割り切れる人は、それでも良いと思います。

 でも、これから自信をもてることを探す人には、僕はおすすめしないということです。

自分の中の「なんちゃって絶対評価」ならブレにくいし折れにくい

 好きなことというのは、人と比べるものではないですよね。自分の中で「これが好きだ!」と思えるものは、誰が何と言おうともその人の中で好きなものになります。

 好きだと思っていたけど、もっとすごい人を見て嫌いになった・・・みたいに得意と好きを勘違いしてしまっているケースも割とあるかもしれませんが。

 とはいえ、好きというのはあくまでも「自分の中での指標」があって、それを満たしているから好きなことと言えるのだと思います。

 正確には絶対評価とは言えませんが、好きというのは個々人のもつ指標を基準とした「なんちゃって絶対評価」と言えるので、他の人と比べてブレることはありませんし、本当に好きなことが見つかればそうそう何か大きな事件が起きない限りは折れにくいものかなと思います。

スキナコトって・・・・・・ナニ?

 「スキナコトって・・・・・・ナニソレオイシイノ?」と思っている方もいるかな?いるのか・・・な?

 いるかもしれないので、じゃあ幾つか僕なりのヒントを。

  • 体調がぐずぐずの時でも「その時間」は無理なく過ごせる
  • 「その時間」のことについて調べたり準備したりは苦に思わない
  • 「その時間」が嫌いな人に出会うと「え!?」ってなる

 これらが全部当てはまっていなくてはいけないわけではもちろんないですし、この3つは本当に無数にある考え方の中の例にすぎません。

 自分の中で好きなことだと思える指標を探すのも、一つの勉強かもしれませんし、一つの楽しみなのかなとも思います。

 急ぐ必要性はないですし、ゆっくり向き合っていってください。

自信が見つかると視野は確実に広くなる

 今回は、保育士にとっての自信の持ち方について僕なりの意見も交えつつ解説してきました。

 自信は初めから持っているものではないですし、極論別になくても良いものです。

 それこそ、下手に自信をもって「慢心」すれば、子ども達や保護者、そして自分自身にとってもデメリットがあるし、要らないリスクを取ることにもなりかねません。

 なので、自信が持てなくて悩んでいる先生がいるのなら、まずは保育の中で好きな時間を見つけて、ゆっくりと向き合っていって欲しいなと思います。

 慢心でなく「自信」を持てると、心を支える芯にもなりますし、自信のない息苦しさが和らいで、身体に酸素が回って、視野が広くなります。

 たぶん現実的な視野も広がるし、何よりも心の視野が広がって、他のことに向き合う姿勢も変化が見られるかもしれません。

 あなたの中にも必ず自信の芽はあると思うので、ゆっくりと、探して、向き合って、育てていってほしいなと思います。

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