インフォデミックとクリティカルシンキング

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 今回はWHO(世界保健機関)が提唱した「information epidemic(情報感染拡大)」=インフォデミックの脅威から身を守るクリティカルシンキングという考え方について紹介したいと思います。

 すごく難しそうな内容に思えてしまいますが、要は新型コロナに関する情報の”デマ”に踊らされない為に、情報をうまく受け取る様にしましょう。その為には多面的にものを考えてみましょう。という勧めになります。

 インフォデミックが何故危ないのか?デマや勘違いの情報に惑わされない為にはどうすれば良いのかについて解説しますので、カタカナ語に拒否反応が出てしまう人もゆっくりで良いので読んでみてくださいね。

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感染症よりも情報や不安の感染拡大が心配

 はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。

 連日、朝から夜までTVでは新型コロナに関連する話題で溢れかえっていていますね。正直もうそういった報道に食傷気味というか、「結局何が良くて何がアカンねん!!」と投げ出したくなる気持ちが強いです。

 ただそこは、日本の国民らしさというか、悪い慣習というか毎日TVをチェックしては色んな情報の濁流に呑まれているいる人が僕を含めて多いように思います。

 最新の情報を入手すること自体は決して悪いことではありません。ですが、今は本当に様々な情報が溢れていて、医師や研究者の見解ですらもすぐに塗り替えられている現状があります。それに乗じて、悪意をもって”デマ情報”を拡散する人もいれば、どこからか間違った情報を耳にして良かれと思って何の根拠もない情報を広めてしまう人もいます。

実はすごく怖いインフォデミック

 インフォメーションエピデミック=インフォデミックという言葉。実は新型コロナウイルス騒動の中で新しく提唱された言葉です。まだ世界に感染拡大が広まりつつあるときに、誤情報やデマがSNSなどネットによって瞬く間に全世界の人達に広がっていきました。拡散された情報が混乱を感染させ不安を拡大させていったのです。こうしたことを受け、世界保健機関はこの言葉を使って誤情報やデマなどに惑わされ混乱しないようにと警鐘を鳴らしました。

 世の中が便利になり、文字通り今や全世界の人と繋がることができるようになりました。SNSでは海外の人と繋がっている人も少なくないでしょう。そんな、ネットワークを通じて「情報」すらも感染拡大するようになったということです。

「○○警察」や買い占め・転売

 RyU先生個人的には新型コロナも勿論怖いのですが、このインフォデミックの方がより恐ろしく感じています。そう思うのは「自粛警察」や「マスク警察」、この記事はお盆に書いていますので「帰省警察」の様な報道も目にするからです。

 他方では、正確性の欠ける情報から物が品切れになってしまったり、買い占めや転売、医療施設や福祉施設などに必要な物資が届かない事態も散見されます。

 日本人の奥ゆかしさというか、他人を慮る気持ちというのが僕は誇らしいというか好きだったのですが、インフォデミックによって心が侵されてしまったしまったようにも感じます。

 勿論、昔から一定数はデマを拡散する心ない人や、不安に駆られて買い占めてしまうことがあったのは事実です。でも、今の現状は国民の誰が間違った情報を拡散しているかも分からないし、自分や家族、大切な人を守りたい一心で必要以上に特定の物を買ってしまうことがあるように思います。

 果たして本当に怖いのはウイルスなのか、人の心の弱さなのかと考えてしまうんです。

インフォデミックに惑わされないクリティカルシンキング

 デマや間違った情報に惑わされない為には何が必用なのでしょうか?答えは簡単で、「その情報が真実なのかどうかを考える」ことが、情報と上手く付き合う一番の方法です。

 そうはいっても、今は医師や研究者の見解すらも定まっていない状態で、どの情報が正しいのかなんていうのは誰にも分からないことだ! と声を荒げたくなる気持ちも分かります。

 ではもう少し、深度を下げてみて「まずは色々な角度から情報を見つめ直す」というのはどうでしょうか?

 一つの情報も鵜呑みにしてしまえば、真実なら素直な性格で済みますが、もしも誤った情報なら自分が心ない人になってしまいます。そうならない為に、その情報を吟味する習慣を付けましょう。

 情報を受け取ったら以下のことを考えてみましょう。最初から全ての項目を考えていたら疲れてしまうので、少しずつこうした色んな視点から物事を考える癖がつくと情報とよりうまく付き合うことができるようになります。

情報を吟味する

・情報の発信源はどこの誰なのか?
・他の人はどう思っているのか?
・何のためにその情報を発信しているのか?
・その情報の根拠はあるのか?あるとしたらどんな根拠か?
・その情報を元に想定されることは?
など

 例えばですが、大阪府知事の吉村さんの「うがい薬」の件を例に出すと、鵜呑みにしてしまった人はあの会見を見たその直後にAmazonでポチっとしたかもしれません。

 ですが、「うがい薬が良い」という情報を上の項目に照らし合わせて吟味してみましょう。

 まず、発信源となったのは大阪府知事である吉村さんになります。府知事として報道される会見の中での発言だったので信憑性は高そうです。

 でも、じゃあ他の人はどう思っているのだろうか?と開いたパソコンの画面を見つめて思うわけです。あるニュースキャスターは「あの発言が混乱を招いた」と言っていたし、医師のコメントでは「医学的根拠は今のところない」と言っている。ん?なんか、怪しい匂いがしてきたぞ??

 2方向から見た”この情報”に少し疑問符が付いてきました。これだけでも買い物をする手は止められるのではないでしょうか?でも、知り合いも買いに行っているし、全国で品切れが相次いでいる・・・・・・本当に買わなくて良いのかな?と不安になるかもしれません。もう少し多方面からアプローチします。

 府知事は何の為に情報を発信したのだろうか?これは吉村さんが後の会見で、研究段階にあるデータだけれど、それを国民に伝えることで感染予防ができるのではないかと思っている。と述べていました。
 少し強引に解釈すると、吉村さんの個人的な考えの中で「どうも良さそうなデータがあるじゃないか。みんなに教えてあげよう」と思ったのが理由です。これは府知事としての意見というよりも、吉村さん個人の意見と言えるので信憑性は高くありません。CMなら注釈で「※あくまでも個人の感想です」とテロップが出る程度の情報ととらえることができます。

 そして、よくよく精査すると、この情報には現時点では根拠はなかったことが判明しました。あくまでも研究段階であり、医学的根拠を示すものではないと本人も仰っています。つまり、あくまでも現時点では「うがい薬」による感染予防、感染拡大を防ぐ効果はない。という結論になります。

 んー、良かれと思って言ったのかもしれないけれど・・・・・・なんともお騒がせな。あ、人ってこうやって自分が信じた物を他人に感染させちゃうんですね。汗

色々な角度から物事を見るのがクリティカルシンキング

 色々な角度から一つの情報を見てみると、少しずつ違った面が見えてきましたよね。さっきの例で言えば、初めは府知事の発言だから信ぴょう性を感じていました。だけど、他の人の意見や根拠の有無、何のための発言なのか?に目を向けると、どうも鵜呑みにするには危険な情報だったな。と結論に至ったと思います。

 この物事を多角的に見つめて考えることが「クリティカルシンキング」と言われる思考法になります。クリティカルシンキングは人間の脳の自然な働きではないらしく、意識をしなければできないことだとか。

 凄く頭がいい人も意識してクリティカルシンキングをしているし、例え勉強が苦手でも意識をすればクリティカルシンキングは誰にでもできる考え方になります。

 この考え方を頭の隅に置いておいて、これから耳にする色々な情報を多角的に見てみてください。初めは疲れると思いますが、少しずつ慣れていきます。そして人間の脳はとても賢いので習慣化してくると、癖になって自然とクリティカルシンキングをするようになっていきます。

子どものコロナウイルスは10倍から100倍?大変だ!(ちょっと待って

 今日も「5歳児以下のコロナ感染者の咽頭部のウイルス量が、5歳以上と比べて10~100倍」というニュースを見ました。鵜呑みにすると驚愕してしまう情報ですが、焦りは禁物。せっかくさっき練習をしたのでそこは多角的にとらえてみましょう。

 あくまでも研究データの一つに過ぎないし、異なる意見や反対の意見もたくさんある。例えコロナウイルスの量が10倍から100倍だったとして、他のウイルスでは子どもとの差はどのくらいあるのか?ウイルス量が10倍では、人に感染させる確率はどの程度上がるのか?

 色んな視点から色んな疑問が浮かびます。

 まだ、あまりにも情報が少なすぎてこのデータを信じるには、今は未だ早すぎることが分かりますね。ただ、もしかしたら研究を続けることで確かな情報になるかもしれない、そうした可能性があることも事実です。

 なので、この情報の受け取り方の一つとしては、子どもの感染予防をまた気持ちを引き締めていこう!と自分を鼓舞する程度に受け止めるのが今は良いのかなと僕は思っています。

情報は鵜呑みせず吟味する時代

  インフォデミックは人の心に感染して、またたくまに世界中にだって拡大していきます。それは不安を撒き散らすだけでなく、誤った行動で正義を振りかざす「○○警察」を生み出してしまったり、自己保身で買い占めをしてしまう程に恐怖を感じたりします。

 また、今回は取り上げませんでしたが未だに「感染者に対する差別」は横行しているようで、そうした差別をする人こそ悪質な病気に感染しているのではないかと感じたりします。

 今はSNSで誰もが情報を発信したり、世界中の様々な情報にアクセスすることができる時代です。使い方次第でこれほど便利なものはありませんが、無数の情報の中から本当に必要な情報を手に入れるのが難しい時代とも言えます。

 情報は鵜呑みにせずに、自分の中で吟味してみましょう。その際には、色んな観点から情報を見る「クリティカルシンキング」をしていきましょう。少しずつでも情報を吟味する癖がついてくると、一目見た情報で一喜一憂してしまうことはなくなります。こんな時だからこそ、日々のストレス緩和は大切です。

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