子ども達の”異変”すぐに気づいてあげることができていますか?子ども達は大人と違って、自分の状況や体調が悪いことなどを言葉で上手く伝えることができません。だからこそ、周りの大人はちょっとした異変を察知して、子ども達の不調やイライラを感じ取ってあげる必要があります。
実はこうした異変に気付けるのかどうかは、たった一つの心がけ次第で誰にでもできるようになります。どうすれば良いのかというと「子どもの普段の様子をしっかり見る」ことです。
こんな当たり前な事、言われなくても普段からやってる?本当にそうでしょうか?保育の専門家と言われる保育士であっても、よく気付く先生と、なかなか気づかない先生がいるくらいです。つまり意識しないと”異変”には気づけないのかもしれません。
「普段の様子を見る」という技術
はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。
今回は子ども達が熱を出してしまった時、熱中症気味でしんどい時などに、子どものちょっとした”異変”に気付いてあげるためのコツをお伝えします。パパママだけでなく、子どもと関わる保育者も意識してみて欲しいことなので是非最期までお付き合いください。
さて、「普段からしっかりと様子を見る」ことは、きっと誰に聞いても大切なこと。当たり前な事。と言われてしまいそうです。でも、本当にそうでしょうか??
・お子さんが今日どのおもちゃを使ったのか思い出せますか?
・ご飯の時、何から食べ始めていましたか?
・お昼寝までにかかった時間は?
・何回あなたの膝の上に来ましたか?
こう聞かれて、思い出すのに少し時間がかかった人もいるのではないでしょうか?そして、「いつもはレゴで遊んでいるから今日もじゃない?」と推測でしか答えられない人もいるかもしれません。
とはいえ、これはあくまでも話の導入として「普段の様子って実は思っているほど覚えていないものだよね」という確認です。これが思い出せない人は「子どもをしっかり見られていない!」、「あなたは親(保育者)失格だ!」なんてことが言いたいわけではないのです。
イベントなどは印象に残りやすいけれど・・・・・・
保育園の連絡帳などでもそう言ったものは顕著に表れていて、普段の様子も無理のない範囲で教えてください。とお伝えしていても、なかなか書くのが難しかったりするようです。
「特に変わりがありません」とか、病気や怪我などが無ければメモ欄は白紙のご家庭もままあります。でも、どんなご家庭もイベントのことは詳しく書いてくれる印象です。もちろん、普段の様子は書く程でもないか・・・と思われる部分も往々にしてあるとは思うのですが、イベントは子ども達の様子も違うので書きやすいのでしょうね。
「○○に遊びに行ってきました!コーヒーカップはパパと楽しんで、観覧車はママが良いと言われました。以前は乗れなかった乗り物にも少しずつ乗れるようになって成長を感じました!」 なんて、ママパパも楽しそうな様子が書いてあったりするとほっこりするものです。
毎朝忙しいと思うので、連絡帳なんて本当に書ける時に書いてもらえたら良いのです。ですが、もし何を書いたら良いのか分からないというママパパがいたら、本当に些細なことでも良いので書いてみてください。
「今日はおうちでもレゴで遊んでいて、大好きな車を一緒に作りました」とか、「ご飯で苦手なピーマンを出したら、全部きれいに避けて食べていました・・・・・・」とか、「トイレに誘ったらイヤイヤされて疲れました」とか、本当に何でも良いんです。
子ども達の家庭での普段の様子を知れることは、保育者にとっては保育園とは違う環境でのその子の様子になるので、普段の様子を知ることもとても大切なのです。
さて、連絡帳に話がそれてしまったので本筋に戻りましょう。何処かへ出かけたり、誰かが遊びに来てくれたり、何かを一緒にしたり、イベントがあると印象が強く残りますね。ですが、普段の様子を思い浮かべてみると今日のことですら薄っすらとしか印象に残っていないこともあります。
つまり、「普段の様子を知る」ということは、印象に残りにくい普段の生活や遊びを意識して見守ってみるという心構えが必要なものなんです。
普段を知らなければ異変には気づけない
ソースが漫画なので、どこまで真実なのかは定かでは無いのですが(ちょっと調べてみたのですが該当する記事などなし)医師がレントゲンの異常に気付く為の訓練は「正常なレントゲン写真を無数に見る」ことから始まるのだそうです。
ちなみにタイトルは週刊少年マガジンで連載していた『ゴッドハンド輝』という医療漫画になります。
何で患者のわずかな異変を読み取らなければならないのに、正常なレントゲンを見るのか?というと、そもそも「正常なレントゲン写真が頭に無ければ、異常のあるレントゲン写真に気付くことができないから」だそう。主人公の輝先生はひたすら夜中もレントゲンを見て、脳内で正常なレントゲンと患者のレントゲンを重ねるイメージまでできるようになっていました。まあ、本当のお医者さんがそこまでできるかは分からないのですが。
どうして、根拠にかける小話をしたのかと言うと。この話がどこまで真実味があるのかを確かめる術はないのですが、納得することができたからなんです。ああ、確かに正常なレントゲンを知らないのに異変とか気づけないよな。と、すっと入ってきました。
さてさて、子どもの様子も僕は同じことが言えると思っていて。それが「普段の子どもの様子をしっかりと見ることで、子どもの些細な”異変”に気付けるようになる」ということなんです。
よく保育士さんは子どもの変化とかに敏感ですよね。とか言ってもらえることがあるのですが、仕事柄「子どもの様子を観察する」ことが習慣づいているのが大きいのではないかと思っています。なので、新人の頃は子どもたち一人一人の様子を書くのに時間がかかったり、メモが必用だったりします。毎日の様に子ども達の様子を見ていく内に、年齢ごとの注視する点や、普段の様子、普段と違った様子が段々と意識的に見つけられるようになっていきます。
そんな繰り返して良くなっていく部分もあるので、「普段の子どもの様子をしっかり見る」というのは一種の技術で。日々意識することを繰り返せば、誰でも習得できるスキルなんじゃないかな、と考えています。
些細な異変は子ども達からのSOS
普段の様子を意識して見ることで、少しずつ子ども達の些細な変化、異変にも気づくことができるようになっていきます。最初に例に出した項目覚えていますかね?
・お子さんが今日どのおもちゃを使ったのか思い出せますか?
・ご飯の時、何から食べ始めていましたか?
・お昼寝までにかかった時間は?
・何回あなたの膝の上に来ましたか?
いつもは違う玩具を出してもレゴを出してきて遊んでいるのに、今日はずっと出してあげた積み木で遊んでいる・・・興味が移った?レゴを出すのもつらい??
普段ならご飯に真っ先に手を出すのに、今日はお味噌汁しか飲んでいない・・・お腹が空いていない?喉が痛くて固形物を飲み込めない??
今日はぐずぐずせずに眠ってくれたなぁ・・・午前疲れたのかな?でも、そんなに動いてもいなかったよな??
いつもは絵本の時にしか膝の上にこないのに、今日は他の玩具を持ってきてまで膝の上にずっといた・・・甘えたい気分だったのかな??
子ども達の発するSOSは本当に些細なものも多くて、僕は保育園でアルバイトをしていた頃に2歳児の女の子が夕方から高熱を出してしまったのを、普段との違和感から気づいたことがあります。
普通にみんなと同じマットに座って遊んでいたのですが、いつもだったらお喋りをしながら遊んでいるのに、その日は黙って遊んでいて、初めはその子はお休みだと思ってました。けど目の前で遊んでいて、おかしいなと思って声をかけてみたけど反応が薄くて、かけよって見ると身体がとても熱くなっていました。
ちなみにお昼寝起きの検温はいたって平熱で、おやつも食べて、午後の活動も楽しんでいたそうです。夕方になって急に熱が出て、そんなSOSを出していたのかもしれません。
いつもはお喋りをしながら遊ぶ子が、黙って遊んでいる。ただ単に集中して遊んでいる場合の方が多いのです。でも、こうした些細な普段との違いに気付いて「おや?」っと思うことが、子どもの異変や体調不良などに早く気付くことに直結していて、とても大切な感覚なんです。
注意したい子どもの様子の変化
僕が保育をするに当たって、個人的にこんな様子が見られる時には、より注意深く見守る様にしていたポイントをいくつかまとめてお伝えします。
<乳児さん>
・特定の保育者に固執する
・いつもより活動量が少ない(運動、口数など)
・普段より感情的(甘える・怒る・泣く)
・友だちの物に執着する
・眠たそう(または全然眠れない)
<幼児さん>
・仲の良い友達と一緒じゃない
・隅っこでいる時間が多い
・「ママは?」、「今日何時お迎え?」などと淋しそう
・「お腹が痛い」と言う
乳児さんに関しては、体調が悪いという意思表示はありませんが、その不快感から感情的になったり、甘えることが多くなったりと、けっこう顕著に表れる子も多い印象です。
実は体調不良を見逃しがちなのは幼児さんで、元々の体力もついてきて、淋しいから泣くといった直接表現が多くありません。どちらかというと、体調を崩すと心配されると思っているのか、黙って耐えていたりすることの方が多いように思います。元気でいなくちゃママパパや先生が心配する・・・・・・と思っているのではないかなと思う時すらあります。
幼児さんになると言葉で伝えられるようになります。ただ、子ども達はまだ臓器の名称も知らなければ、症状について明確に表すことができませんよね。不調なんだけれど、伝える言葉が分からない・・・・・・そんな時には「お腹が痛い」と伝えることがしばしばあります。
要するに怪我ではなく、頭や胸のように明確な伝える言葉や表現がない時に「お腹」という総称を使って訴える場合があるのです。なので、子どもの「お腹が痛い」の時にはまず「うんちが出そうな痛み?」と便意を確認します。
幼児さんならもう便意を自覚できているので、「うんちは出ないけど、お腹が痛い」と応えてくれます。そうすると腹痛ではなく、何か不快感や吐き気、発熱などをしている可能性を考慮して対応します。
普段を意識して見て、些細な変化に敏感になろう
今回は子ども達の些細な”異変”に気付くには、普段の様子をしっかり見て違いに気けるよう意識することが大切だという話をしました。
子ども達の些細な変化は、まだ言葉で不調や機嫌などについて説明することができない子ども達からのSOSサインです。いつもより元気がない。甘える時間が多い。普段とは違う遊びをしている。一人で隅っこに居る。
そんなちょっとした変化を見逃さず、子ども達の異変に違和感に対処できるようになっていくと、お互いに安心しますよね。ママパパは僕が変な時に分かってくれる。この子はこんな様子になったら熱があるかも、あんな風に泣く時は下痢になったりする。兆候に気付けば早期発見して医師に診てもらったり、今日は早めに休もうと促すことができるようになります。
子ども達の普段の様子は見る意識をもたなければ、印象が薄くなってしまいます。いつも気を張っておく必要はないのですが、時にお子さんがどんな風に普段から遊んでいるのかを改めてよく見てあげてください。そして、そのことを誰かと共有できるとお子さんの異変に気付くことがより多くなるんじゃないかなと思います。
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