※このチェックリストは質問に答えて「自責・自虐心」を満たす為のものではありません。必ず最後まで読んでください。
ーーあなたは自分をダメな親だと思いますか?
毎日の育児が苦痛だったり、子どもがなかなか可愛いと思えなかったり、子育てをする中でどうしようもなくなってしまうほどのストレスを感じたりしていませんか?
様々な思いが錯綜して辛いのに、誰にも頼ることが出来なかったり、たまたま相談するタイミングがつかめずに日々を過ごして、もう「子育てなんて放り投げてどこかへ行ってしまいたい」と考えたりしていませんか?
そんなことを考える親はダメな親でしょうか?
もし、自分はダメな親だと考えていたり、自分はもしかしてダメな親なのかもしれないと不安になっている方がいたら、次の6つの質問に正直に答えてみてください。
ダメな親かが分かる6つの質問
心の準備ができたら、次の6つの質問に正直に答えてください。
どの質問も「はい」か「いいえ」で回答することができます。「どちらでもない」も可能ですが、なるべく使わずに回答してみてください。
1.子どもが可愛いと思えますか?
2.子どもと居て楽しいですか?
3.ママ友パパ友が羨ましいと感じますか?
4.子育てを投げ出したくなる時がありますか?
5.体罰をしてしまうことがありますか?
6.子どもよりも自分事を優先したいと思いますか?
それでは、それぞれの設問と、あなたがダメな親かどうかについて詳しく解説していきます。
※質問に答えて「自責・自虐心」を満たして終わりではありません。最後まで目を通して行ってくださいね。
この記事の主旨
子育ての中で色々な不安やストレスがあって、育児に疲れてしまったり、育児を投げ出したいと考えてしまったり、「私はダメな親かもしれない」と思った事がある人は少なくないと思います。
そうした感情や考え方はなかなか人に見せられるものではないと考える人が多いので、他人からすると見えにくい部分でもあります。なので、想像しているよりもきっと多くのママパパが、このような悩みを実は持っているのだと思います。
結論からすると、「ダメな親」なんて存在しません。
もし、自分をダメな親だと思うことがあったとしても、それは「育児が苦手な親」であったり、「育児を楽しめない親」、「育児に不安がある親」、「子どもよりも優先したいことがある親」という親としての在り方が親子の数だけ在るというだけです。
ですが「ダメな親」が居ないなら、子どもに何をしても良い、子育てとどう向き合っても良い、と言っているわけではありません。
「ダメな親」は居ませんが、不適切な親子の関係というものは確かにあります。虐待は不適切な関係の最たるものです。「身体的虐待」、「心理的虐待」、「性的虐待」、「育児放棄(ネグレクト)」は子どもの心身の発達を歪めてしまったり、最悪の場合には命に関わります。
こうした場合は「育児が苦手」、「子どもとの関り方が分からない」という話ではありませんので、「ダメな親」ではなく、そもそも「親」になり切れなかったケースだと個人的には考えています。
人として未成熟なまま主産してしまったケースや、子どもを所有物の様に扱うケースなども、「親」になり切れずに子どもとの生活だけがスタートしてしまったケースなのかなと思います。
なので、こうした行いは決して許容できるものではありませんが、そこに至ってしまうような「親」になり切れない人へのケアが重要なのではないかと思っています。
結論は先に出してしまいましたが、それぞれの質問で「いいえ」があった私の気持ちはなんだと言うの? と、そう思われている方も多いと思うので、それぞれの質問についての親子関係について、詳しく見ていきましょう。
1.子どもが可愛いと思えますか?
近年になって「子どもが可愛いと思えない」、「子育てが楽しくない」と悩んでいる親が増えていることが、支援者や学者の中で問題視されています。
その背景として考えられているのは、「女性の社会進出」、「晩婚化」、「未婚率」、「地域での子育ての希薄化」、親になる人が子どもと関る経験が少ないことでの「養育力低下」などです。
また、子どもに持つポジティブなイメージと、子育てにもつネガティブなイメージに差があること、想像していた理想的な子どもの居る生活と実際の生活でのギャップによって、我が子に愛着を持つことがなかなかできずに苦しんでいる親が増えているのではないかと思います。
子どもは可愛いと考えている人でも、実際の子育ての中で我が子が可愛いと思えない人もいますし、もともと子どもが苦手な人はなかなか我が子でも可愛いと思えないことがあるかもしれません。
勿論、手放しに「我が子は可愛い!目に入れても痛くない!」と言う人もいれば、子どもは苦手だったけれど「我が子だけは可愛くてしょうがない」という人もいますね。 ちなみに僕の親友は正に後者で、もともと子どもに苦手意識を持っていたし、関わったこともほとんど無かったのに、自分の子どもを溺愛するパパになりました。
我が子だから可愛いと思える部分と、我が子だから可愛いと思えない部分というものがあることも考えれば、自分の子どもを可愛いと思えないと思う人も「ダメな親」ではないのです。
勿論、可愛いと思えないことが養育に影響して、育児放棄に至ったり、最低限の健康維持や、教育がおろそかになるようなことがあれば、それは問題です。
2.子どもと居て楽しいですか?
メディケア生命が1000人のママパパを対象に独自に行った「子育てに関する意識調査」によると、 【子育てが楽しい】かを問う設問に、「とても当てはまる」、「やや当てはまる」と肯定的な回答をしたママパパは66%でした。
つまり、アンケート調査に協力できる余裕を持ったママパパに聞いた場合でも、3人に1人は「子育てを楽しいと思えない」と考えていることが分かります。
こうした任意調査は、その調査の内容ーここで言う子育てについての意識ーに関心の高い人が回答をする傾向にあります。
そもそも、子育てに関心の薄い人は、こうした調査に協力する考えもないわけです。そう考えると、子育てを楽しいと思えない人や、どちらとも言えないと考えている人の数は、3人に1人よりもずっと多くいる可能性が高くなります。
もし、子どもと居て楽しいと思えない人がダメな親だとしたら、子育て中の3人に1人以上のママパパは「ダメな親」ということになってしまいますが、そんなことはありませんね。
初めての育児であったり、「イヤイヤ期」や「ギャングエイジ」などの子育ての悩みとされることの多い期間、子どもと親との相性などによっても、子育てを楽しめる時と子育てを楽しめない時が入り混じることがあります。
その場合には子育ての生活に慣れたり、知識やコツを身に付けたり、特徴的な時期を抜けることで「子育てってやっぱり楽しい」と思えるかもしれません。子育てに関する意識はずっと変わらないものではないのですから。
子育てを楽しいと思えていないと思っているあなたも、決して「ダメな親」ではないんですよ。
3.ママ友パパ友が羨ましいと感じますか?
ママ友やパパ友を見て羨ましいと思ったり、ママ友やパパ友の子どもとの関り方を見て「自分にはどうしてあんな風にできないのだろう」と惨めな気持ちになったりしていませんか?
もし、そう思うのなら、その大きな原因は「比較」をしてしまうことにあります。
自分とママ友、パパ友を比較してしまったり、自分の子どもとママ友パパ友の子どもを比較してしまったり、一緒に居る時の姿だけを見て関わり方を比較してしまったり、そんな癖がついてしまって劣等感や自責の念が常に生まれていたら苦しいですよね。
「比較をしない」ということは意外と難しいですよね。僕もよく自分と他人を比べてしまうのでよく分かります。いつも無意識に比較をしてしまう様な状態であれば尚更です。 でも「子育て」に関しては、誰かと比較をすることによるメリットはほとんどないと言い切れます。これについては、保育士として子育て支援の専門家として断言できます。
だって、あなたはあなただし、お子さんはお子さんだし、家庭にはそれぞれの関係性があるのですから。そもそも比較対象として、ママ友やパパ友、その子どもやその家庭というのは成り立たっていないのですから。
子育ての中で比較をしないコツは、「子どもの今を見つめること」と、「自分の頑張りを認めること」です。
子ども達の成長や発達には、個人個人の大切にしなければならないペースがあります。他の子どもと比較したり、ましてや競争をする意味はありません。
親になったら当たり前に子育てができなくてはいけない、という固定観念も捨てましょう。 子育ても生活の営みの一つなので、得手不得手というのは自然とでてくるものです。当然、その作業が好き嫌いということも感じるのが普通です。
「できない」ことを見つけるのではなく「やろうとした自分」を沢山見つけて、「他人」に向けていた目線を「自分自身の努力」に向けられるようにしていけると、今感じている辛さはぐっと軽減するはずです。
4.子育てを投げ出したくなる時がありますか?
子育てに疲れた、子どもとの関りでストレスがどんどん溜まっていく、誰かに助けを求めることもできない・・・・・・ああ、もう子育てなんて放り投げて楽になりたい!
こうした思いにかられているとしたら、それは凄く苦しいのではないですか?少し頑張り過ぎているのかもしれませんね。
それぞれの家庭には、それぞれの事情があるので、無責任なことは言えませんが、子育てを投げ出したいと思うくらいになってしまった、あなたの苦しみを少しでも理解したいと僕は思います。
子育てを投げ出したくなる背景には、「子育ての躓き」や「子育てで協力を得られない状況」があるかと思います。 特に、子育てをしている中で協力を求めることが出来る人が身近に居るかどうかは、子育てのストレスと上手に付き合う中で重要なことです。
解決する方法としては、子育ての躓きを無くす為に少し勉強をしたり、誰かに悩んでいることについてアドバイスをもらうと良いでしょう。 また、自分の「子育てに当てることができる体力・気力の中で子どもと関わる」ように調節することも一つあると思います。
お子さんと一緒に居る時間が長い程苦痛になってしまうのなら、託児所やベビーシッターを利用して、日々の中でお子さんと接する時間を短くすることも有効な手段です。 経済的な理由などもあると思いますが、自身の心身の健康と天秤にかけても無理かどうかは、改めて考えてみて欲しいと思います。また、公的な支援事業であれば格安や無料で相談できることもあるので地域の福祉サービスも確認してみましょう。
もし、子育ての中で特定の時間が苦痛に感じる場合。例えば、お風呂や食事の時間が辛く感じるのなら、その時間だけ家族や友達を頼ったり、サービスを活用するのも良いと思います。
また、そうした援助を求めることと並行して、自分自身と子どもの健康に支障が無い範囲で「上手な手抜き」を覚えることも必要になってきます。
個別ケースについて詳しく聞きたい方は、ココナラ内で相談に乗ることもできますので、ご検討ください。
5.体罰をしてしまうことがありますか?
子どもに何か注意をする時や、躾をする中で、手を叩いたり、頭を叩いたり、強く腕を引っ張ったり、子どもに体罰をしてしまったことはありますか?
日本でも少し前までは、体罰は躾の一環として考えられてきました。ですが、今では体罰は躾としての効果は全くなく、子どもの心身に悪影響を及ぼすだけであることが科学的にも証明されています。
だとすると、軽くでも体罰をした経験がある人や、体罰になるか分からない程度の接触行為で子どもに注意をしたことがある人は「ダメな親」ということ?と心配になる人もいるかもしれませんが、それははっきりと違うと言えます。
無意識的な体罰的行為は、子どもが何かダメなことをしたり、わがままにうつることを言ったり、約束していたことを破ったり、急に道路に飛び出すなど危険な行為をした時に、咄嗟に手が出てしまったものだと思います。
咄嗟だから叩いて良いということは決してありませんが、その行為は子どもの成長や安全の為であったことも確かな事実です。その行為が、子どもの為であったかどうかは、やはり抜きにして考えられるものではありません。
体罰は、咄嗟の行動で子どもの問題となる行動が止まることが多いので、どこか手軽で効果が大きいものの様に錯覚してしまう危険があります。 ですが、それは一過性の驚きや恐怖による【萎縮】でしかなく、実際には子どもの反省や成長には繋がっていないのです。
子ども達は、大人が想像しているよりもずっと話を聞いていますし、理解もしています。ですが、まだ大人の様に衝動性を抑えることができなかったり、広い視野で周りを見ることが難しいことで、大人からすれば問題行動を取ってしまったり、約束したことを破っているかのように見えてしまうのです。
もし、これまでに体罰的行為をしたかもしれないと後悔している人や、子どもとの関りの中でふと手が出そうになってしまうことがあると不安に思っている方は、ぜひ子どもについての知識をつけてもらいたいと思います。
どうして、危険な行動をしたがるのだろう、どうして車道に飛び出すのだろう、どうして約束事が守れないのだろう、どうして問題行動がでるのだろう、色々な疑問に実は明確な答えや、そうなってしまいがちな環境、シチュエーションというのが存在する場合が多くあります。
お子さんの姿をよく見て、子どもについて理解を深めて、その上で日々試行錯誤もしながら約束をしたり、対策を考えたりすると手を出す必要なんてないことに気が付くはずです。
6.子どもよりも自分事を優先したいと思いますか?
子育てに追われる中で、自分の時間をゆっくりと取りたいと思うことがあるのは当然のことだと思います。
時にはママやパパだって羽を伸ばして友達と遊んだり、趣味に興じたりしたいと思っても問題はないでしょう。
では、自己実現の為に子育てに費やす時間が障害になっていると考えたりした場合はどうでしょうか? それでも、ダメな親になるとは限らないというのが僕の意見です。
大切なのは子どもとの必要な関わりをもって愛着関係を築けていて、子どもの成長や発達に支障がない環境を用意することです。
時間が短くても意識的に関わる時間を作って、子どもとの間に信頼関係を築きながら、誰かの協力や、色々な制度やサービスを活用することができれば、ママだってパパだって一人の個人としてどんどん自己実現をしていけるのは良いことですよね。
近年、男女参画社会、男女平等を旗印に女性の権利を守るための考え方や、社会整備が少しずつ進んでいます。日本はジェンダー格差が先進国で圧倒的に大きいとされていて、国を挙げて問題視をして課題解決に取り組もうとしています。
子育てについても、まだまだ法整備も環境整備も不十分なとこころが多く、「ママだって働きたい」、「ママだって自己実現をしたい」、「子どもが居たって自分の時間は大切にしたい」と考える人は多いものの、 未だに、女性が子育てをするのが当たり前、ママもパパも子どもがいるなら自分の時間を犠牲にしてでも子どもと関わるべき、などという凝り固まった価値観が多くを占めている様に感じられます。
〇子育てと自己実現は両立が可能なこと
親になると決めたのだから自分の時間がどうとか言うのはおかしい!というような主張も、理解できないわけではありません。でも、だからこそ、個人的に強く思うのは
どちらの主張も偏り過ぎていなだろうか、二つの主張の折衷案もできるはずなのになと、歯がゆい気持ちです。
「親として子どもと関わる時間を十分に取ること」と、「子育てをしながら自己実現の為に活動すること」は両立が可能なことです。決して、相反するものではありません。
実際に、子育てをしながらでも自己実現をして充実した生活を送っているママパパは多いです。 しかし、一方でそう思いながらも実際に行動することが難しい人が一定数以上いることも事実だと思います。
その原因の2つの柱として、日本の課題である「社会整備」と、実際に行動に起こす行動力や、活動を継続する「自助努力」、この二つがあげられると考えています。
今の社会保障や利用できるサービスの中では、そもそも自分の為の時間を取るのが難しいというケースもあるでしょうし、様々な制度やサービスを駆使することが可能でも思い込みや、世間体を気にして実際に行動ができていないケースもあるのかもしれません。
勿論、子どもの為に自分の時間を費やすことが喜びという考え方も凄く素敵なことです。なんにせよ、社会整備が滞っていることが原因で、自分らしい子育ての向き合い方が制限される社会ではなくなっていくことを願うばかりです。
親として自信が持てないなら関わり方を変えていけば良い
6つの項目の解説の後で、改めて言います「ダメな親」なんて一人も居ません。育児が苦手でも、育児が嫌いでも、子ども達と健康な日々を過ごしているのなら、あなたは立派な親なんです。
もし子育ての中で、自分の親としての自信が持てずに、悩んだり不安になったり苦しんでいたとしても、これから親としての経験を積んで、子どもに関する知識も増えて、色んな子どもの姿を発見していく中で気持ちや状況は改善していくはずです。
だから、ダメな親かもと不安になったら、もう少し勉強してみたり、今の関わり方を改めて見つめ直してみたり、必要に応じて専門家に相談をしたり、関係性のメンテナンスを覚えてみましょう。
そして、努力している自分や、悩んでいる自分を認めてあげましょう。
それでも、家庭でできる自然な関わりの中で、どうしても苦しい時には、家族や友だちを頼ったり、公的なサービスや、託児所やベビーシッターなどの活用も検討してください。 時間的に余裕を持つことや、物理的に子どもと距離を取ることができると、いっぱいいっぱいになって苦しかった育児との向き合い方も変わっていくはずですよ。
虐待が不安ならら今すぐ専門機関に相談を
最後に、子どもを支配しようとしたり、所有物の様に扱ったり、わざと傷つけるということは大問題です。
育児でのストレスで我慢できなくなる前に、子どもに乱暴をしたり、養育そのものから逃げ出してしまう前に、専門家に相談をしてみてください。
虐待は、誰も幸せにしません。あざだらけになったり、トラウマを植え付けられた子どもは一生苦しみ続けることになります。虐待は命を簡単に奪う危険があります。
子どもを守る為、そして虐待をしてしまうかもしれない親を守る為の仕組みが、日本にはきちんとできています。
虐待や過度な体罰で不安を感じたら、地域にある児童相談所に連絡をしてください。ダイヤル「189」は全国どこでも繋がる、虐待に関するホットラインになっています。 相談は匿名でもできます。子育ての中での辛さを専門家に話してみてください。きっと、何か状況を好転させるきっかけがあるはずです。
ダイヤル3つを押すのすら難しくて、それでもこの記事で何かを感じてくれたのであれば、僕で良ければ相談に乗ります。まずは気楽にメッセージをください。
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