子どもが話を聞いてくれない。約束をすぐに破って困っている。人見知りをされてしまう・・・・・・
こうした「子どもとの関り」に関する問題の多くは、子どもと信頼関係をきちんと結ぶことが出来ていない為に起こります。 なので、信頼関係をしっかりと結んでいくことで、問題が自然と解決されていくケースがほとんどです。
しかし、信頼関係を結べないままでは、どんなに強く怒っても、どんなに口酸っぱく約束をしても、効果はほとんどありません。信頼関係という基盤が出来ていないのですから、当然とも言えますし、効果がないばかりか逆効果になってしまうリスクもあります。
では、子どもとの信頼関係を結ぶにはどうすれば良いか?
答えは、あるたった3つの行動を意識して子どもと関わることです。
これから紹介するそのたった3つの行動を意識することで、今日からすぐに、誰でも実践出来て、何歳の子どもとでも確実に信頼関係を築くことができる様になります。
子どもとの関係性に悩んでいる方必見です!
結論
子どもとの信頼関係を築く為には、ある当然のことを思い出す必要があります。それは、
子どもは個別の人格を持った一人の人間であるという事実です。
子ども達は幼い程に親に依存して生きていくことになりますが、だからと言って親の所有物ではありませんし、何の意思も感情ももっていないわけではありません。
心地よい、不快に思う、泣く、笑う、したい、したくない・・・・・・・人間だからこその、感情や表情、想いを確かに持っているのです。
そして、子ども達がそれぞれの個性や意思をもつ人間だという事を思い出すと、信頼関係を築く為に具体的に何をしたら良いのかは自然と浮かんでくるのではないでしょうか?
色々と代案も浮かんでいるかもしれませんが、今回僕が特に大切にして欲しいと思う、具体的な行動は以下の3つです。
1.子どもと沢山遊ぶ
2.子どもの話をしっかり聞く
3.小さな約束も守る
何を当たり前なことを!と感じた方もいるかもしれませんが、これは僕が子どもと関わる時に必ず意識していることです。
そして、現場保育の経験則からもこの3つの行動が、信頼関係の構築に深く関わっていると断言することができるものです。
それでは、もう少し詳しくそれぞれが、何故子どもとの信頼関係を築くのに重要になるのかを見ていきましょう。
1.子どもと沢山遊ぶ
まず意識して欲しいのは「子どもと沢山遊ぶ」ということです。これを意識的に行うだけでも、子ども達の反応や関係性はみるみる変わっていきます。
よく勘違いされがちなのですが、「子どもと遊ぶ」ことと「子どもを遊ばせる」ことは似ていますが全く別の意図を持つ、異なる行動です。 子どもと遊ぶということは、子どもの興味関心について理解し、認めて、一緒の時間や空間を共有するということです。
子ども達にとって一緒に遊ぶ大人は、「自分の好きなこと」、「興味関心を持っていること」、「今したいこと」、「今したくないこと」・・・つまりは、玩具や遊びを介して【自分自身】を見つめてくれている存在です。
一方で、遊んでいる空間にいるだけの大人は、安心を感じさせるという大切な意味はありますが、信頼関係を築くという点では「何もしてくれない人」に過ぎません。
大人もそうですが、やはり自分のことを見てくれている人、認めてくれている人の存在は安心感がありますし、そういう態度で一緒に居てくれる人と関係性を深めていきたいと思いますよね。
自分を見守ってくれて、自分のことを認めて、愛してくれる人と信頼関係を結びたいと思うのは、子ども達も同じなのです。
どう遊んだらよいのかが分からないなら
一緒に遊ぶことの大切さは分かったけれど、具体的に「どうやって遊んだら良いのかが全然分からないから困っているんだよ!」という人もいると思います。
これは凄く簡単で、まずは子どもが「好きな玩具」や「好きな遊び」を見つけることから始めましょう。
子どもが何に関心を持っているのかが分かったら、次は子どもの近くで同じ玩具を使ってみたり、同じ遊びをするようにします。 その時に、無理に関わろうと思わなくて良いので、時折子どもの様子を見て「上手に出来てるね」、「凄いね」と私はあなたを見ているよ。と伝えていきます。
その後は、好奇心が警戒心を飛び越して、子どもの方から近くで遊ぶようになったら、後は一緒に何かを作ってみたり、まだ子どもが作れないもの、できないことを見せてあげたりしましょう。
たったこれだけで、既に信頼関係の基盤はできているのです。
2.子どもの話をしっかり聞く
子どもとの信頼関係を築く為に重要な行動の2つ目は「子どもの話をしっかり聞く」ことです。傾聴という言葉で表現されたりもしますね。
また、当たり前なことを声高に言い出した、と思うかもしれませんが、本当に子どもの話をしっかりと聞くことができていると言えますか?
子ども達は年齢を問わず、色んなことを考えて、色んなことを感じて、そしてそうした思いを大切な人に伝えたいと強く思っています。
勿論、幼い程に表現できることが少なかったり、上手に伝えられるだけの語彙を持っていなかったりしますが、自分におきた感動を大切な人と共有したいと思うのは人間の根本的な欲求なのかもしれません。
保育士でも傾聴が苦手な人はいる
話を聞くということは信頼関係の構築だけに有効なわけではなく、問題行動を止めさせたい時にも大きな効果があります。
そんな重要な行動であるはずの「子どもの話をしっかり聞く」ことが、保育士でも苦手な先生をよく見かけます。
本人は聞いているつもりだし、実際に会話にはなっているのですが、他の作業をしながらだったり、子どもの話を途中で遮ってしまったり、「後で聞くね」と言ってそのまま降園の時間になってしまったり、見ていて歯がゆい気持ちになります。
そういう先生ほど、子どもの気持ちが分からない、子どもが言うことを聞かない、と愚痴をこぼしたり、悩んだりしたりしていることが多かったりもしました。
しっかり聞くということは、耳で聞くだけではありません。耳も目も、そして心も子どもの方向へと向けて、言葉と共に思いまでしっかりと受け取る。これが、しっかりと話を聞く、傾聴なのだと思います。
3.小さな約束も守る
子どもとの信頼関係を築く為に重要な行動の3つ目は、ずばり「小さな約束も守る」ことです。言い換えるなら、「嘘をつかない」ということでもあります。
人間関係の中では当たり前かもしれませんが、子どもとのちょっとした約束や、事前に伝えた予定を守っているでしょうか?
大人にとっては何かして欲しい時の方便だったり、どこかで子どもも覚えていないだろうと高を括って、軽い気持ちで約束をしてしまったりしたことはありませんか?
例えばこんな時は要注意です。・夕飯時に玩具の手を止める為に「夕飯の後でまた遊ぼうね」と言った・「次に公園に来たらすべり台をしよう」と約束をした・出かける前は公園に寄ると言ったのに、時間の都合で公園には寄らずに帰ってきたなどなど・・・・・・
どのケースでも、大人はほとんどの場合で悪気があったわけではないことは分かります。 ですが、子ども達にとっては確かにした約束で、約束を破ってはいけないと教えられているのに、大人に約束を破られれば混乱と悲しさでいっぱいになってしまいます。
こうした小さい約束を破ってしまったり、軽い気持ちで嘘を言う様では子ども達との信頼関係を結ぶことは難しいどころか、信頼をますます失ってしまいます。
子ども達との約束も安易に考えてはいけません。方便を理解してもらうことが難しい分、大人よりも注意して約束をしたり、言葉を選ぶ必要すらあります。
子どもと約束をする時には、それが本当に守ることが出来るかを考えてから約束をするようにしましょう。
誰が見ていても問題ない姿で子どもと関わる
今回は、子ども達との信頼関係を築く上で大切な3つの行動について解説をしました。
子どもと遊ぶこと、子どもの話を聞くこと、小さな約束も守ること。
言ってしまえば、当たり前なこととも取れるこの3つの行動も、それぞれの行動が意味することを意識すると見え方が変わってきますよね。
人間関係の中で信頼関係が大切なのは大人も一緒です。ですが、子ども達の場合には、信頼関係は命の防波堤にもなる大切なもので、大人よりもよりシビアに考える必要があります。
子ども達だからこそ、理解できない方便のようなものもあれば、子ども達だからこそ重要度が増す小さな約束もあります。
今回紹介したことも、いつでも意識して過ごせればよいとは思うのですが、時間的に難しいことや、環境的に難しいケースだってあります。
なので、誰が見ていても問題ない姿で子どもと関わることができていれば、自然と今回紹介した3つの行動も取れますし、より子ども達との時間を濃密に過ごすことができる様になるのではないかと思います。
では、さっそう今日から、子ども達とより信頼関係を深くできる関りを続けていってくださいね!
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