『叱らない保育論』【目次】

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まえがき

 時代の変遷や、子育てを取り巻く環境の変化の中で、良い子育てとはなにか?ということは絶えず議論されてきました。それは、保護・養育者となるママパパの終わりのない疑問でもありますし、保育・幼児教育の専門家とされる保育者が、常に模索している議題でもあります。

 徹底した教育主義が良しとされた時代もあれば、自由放任によって子どもの個性を伸ばそうとした時代もありました。これは、世間一般にも言えることですし、保育園や幼稚園を始めとする保育・幼児教育の現場でもその時代の主流として移り変わってきた考え方です。

 この『新・叱らない保育論』の中では、タイトル・副題にある様に「褒め伸ばす子育て」を実践する為には、どのように子どもと関わるのが良いのかについて解説をしていきます。この本を読むことで、子どもを叱れない親から脱却し、子どもを叱らないで済む環境を構築し、必要な時には子どもと真剣に対話ができ、褒め伸ばすことーーつまりは、子どもという一個人を認めることのできる親へと生まれ変わることができるようになります。

 よくあるセミナーや、育児書の中で「叱らない子育て・保育」というものについて論じられているものがあります。友だちのように親子が接する、子どもの主体性のみに焦点を当てる・・・・・・極端なものでは叱ることは悪であるかのように書かれているものまで様々です。ですが、本当にそれらが良い子育てと言えるのか?というのは、はなはだ疑問でもあります。筆者には「叱れない親を擁護」しているだけに感じてしまう部分があるからです。

 つまり、筆者は”子どもが何をしても、叱らないことが良い”と言いたいのではなく、”叱らなくて済む環境を作り、子どもと関わることが良い”と言いたいのです。子どもが社会的に間違った行動をした時に叱らないのは、最早子育てとも保育とも言いません。

 この『新・叱らない保育論』の中では、本当の意味で子ども達にとってよい関りとはなにか?

 叱れないーー叱ることができないーーのではなく、積極的に叱らないことを選択する意味について、詳しく解説をしていきます。その中には、少し専門的な知識であったり、この本を読んですぐにでも実践できる関わり方であったり、多角的な視点から解説をしていきます。

 最後に、筆者は常々「保育や子育てに関わる全ての人が、少し肩の力を抜いて、子どもとの関りをより楽しむことができる」ように、サポートをしていきたいと思っています。

 この援助者(ファシリテーター)としての、関わり方が、子育て環境を良くし、ひいては子ども達の最善の利益に繋がるものだと信じているからです。

目次

まえがき

【一章】叱れない親からの脱却マニュアル

子どもとの理想的な関わりーファシリテーションー 

この記事を読む 11/02更新

理想的な関りが子どもの自己肯定感を育む

叱られないことは淋しさや孤独感に繋がる

叱ることは子どもに学びの機会を作ること

叱らなければならない状況を作るのは親

叱らなければならない状況を回避することが、真の叱らない子育て

叱らなければならない状況を回避する為には?

先回りのメリットとデメリットを知る

子どもの成長の課題を奪うことはあってはいけない

場面ごとの先回りのコツ_1.食事編

場面ごとの先回りのコツ_2.お片付け編

場面ごとの先回りのコツ_3.遊び編

場面ごとの先回りのコツ_4.勉強編

叱れない親からの脱却は子育ての自信にもつながる

【二章】褒め伸ばす子育ての実現に向けて

褒められることは一番の報酬

効果的な褒め方

褒めることはよく観察することから始まる

褒めることは認めること

結果を褒めるメリット・デメリット

過程を褒めるメリット・デメリット

誰が褒めるかで効果も変わる

子どもの良い所を見つける目の養い方

他人と比べることによるデメリットは多い

他人と比べることの些細なメリット

能力の評価は専門家に任せればいい

子どもを一人の人間として認めることが最大級の褒めること

【三章】叱らない子育ての本質

叱ることは簡単だけど、叱らないで済むよう導くことは難しい

叱らない環境を作るには勉強が大切

たくさん遊ぶことで子どもの様々な面を探す

子どもにとっての遊び相手とは?

叱るべき時には叱ることも重要

子どもの自己肯定感を傷つけない叱り方

甘やかすという考え方について

 

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