はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。
昨日から、こちらの『毎日保育小話』と併走して、保育士向けの『保育ちょい足し』が開始しました。
保育士や保育士を目指す方にとって、学びあることを発信出来たらと考えていますので、興味のある方は夜に更新する『保育ちょい足し』もチェックしてみてくださいね。
さて、いきなり弁解からになりますが、今回紹介する「勘違いしがちな子どもの好きなこと」は、パパだけが勘違いしていることではありません。
なんとなくの、子どものイメージが場合によってはデメリットを産むこともあるので、パパもママも保育従事者も読んで貰えたらと思います。
では、さっそくいってみましょー!
勘違いしがちな子どもの好きなこと
子どもたちと言えば「活発」で、「元気」、「風の子」、「遊ぶのが好き」、「好奇心が強い」といったイメージがなんとなくあるかなと思います。
もちろん当てはまることがあれば、個人差で当てはまらないこともありますよね。
こうしたイメージと同じく、勘違いしてしまいやすいのが「子どもの好きなこと」です。
まずはその3つを紹介します。
- 赤ちゃんは「いないいないばあ」が好き
- 子どもは「高い高い」が好き
- 「くすぐり」をすれば喜ぶ
これらは、一般的なイメージだけだと勘違いしてしまって、時に子どもにとってデメリットを生むことがあります。
なぜなら、
- 赤ちゃんは生後半年頃になるまで、「いないいないばぁ」を楽しむことはできない
- 激しい「高い高い」では子どもは恐怖を感じたり、「揺さぶられっ子症候群」のリスクがある
- 「くすぐり」での笑顔や笑いは、身体的な反射であることがあり、無闇にくすぐることはネガティブなコミュニケーションと考えられる
これらについて、今回は詳しく解説していきます。
勘違い1.赤ちゃんは「いないいないばぁ」が好き
最初の勘違いは、赤ちゃんは初めから「いないいないばあ」が好き。というものです。
しかし、生後間もない頃の赤ちゃんに「いないいないばぁ」をしても、あまり大きなリアクションは得られません。
その理由として、長らく考えられていた「モノの永続性」というものと、赤ちゃんの記憶の特性が考えられます。
モノの永続性とは?
「いないいないばぁ」を無理やり文章で表現すると、
赤ちゃんの顔を見つめながら、両手で自分の顔を覆い、「いないいなーい」という掛け声と共に、しばらくした後、顔を覆っていた両手を外して「ばぁ」と掛け声をしながら、また赤ちゃんと視線を合わせる。
こんな感じになるかなと思います。
この時に、両手で顔を覆った時に、視界からはママの顔が消えますよね。
もちろん物理的に顔が消失することなどありませんから、手の向こうに顔があることを私たちは当然のように認識できています。
この、何かで隠された時に、その向こうに物があり続けることを認識できることを、モノの永続性を獲得している状態と言います。
そのモノの永続性を獲得するのが生後半年頃と言われています。
なので、生後半年以前の赤ちゃんに「いないいないばぁ」をしても、なにをさているのかが理解できないと考えられています。
モノの永続性ではなく記憶の特性?
近年の心理学会の研究の中で、実は赤ちゃんもモノの永続性を理解しているのではないかという結果が発表されました。
ですが、赤ちゃんは今でも成長しなければ「いないいないばぁ」を楽しむことができていません。
そう考えると、モノの永続性は獲得できていたとしても、「いないいないばぁ」という行為の流れを記憶できず、
見通しを立てる能力も未熟なことで、生後間もない赤ちゃんは「いないいないばぁ」をしても楽しむことができないのではないか。
こんな風に僕は考えています。
勘違い2.子どもは「高い高い」が好き
子どもたちとのパワフルなコミュニケーションとして、抱き上げたり、高い高いをしたり、飛行機のポーズなどは有名ですね。
筋力を必要とするものも多いので、パパだったり、男性が好む子どもとのコミュニケーションと言えるかもしれません。
確かに、こうしたパワフルなコミュニケーションというのは、誰でも出来ることではないので特別感がありますし。
自分ではいけない高さまで上がる、体が浮あがるという刺激的な体験と言えます。
ただし、常識的に考えて異常なほどに激しい「高い高い」であったり、長い時間連続してこれらのパワフルなコミュニケーションを取ると、思わぬデメリットが発生します。
それが、子どもにとっては恐怖に感じることがある、ということと、「揺さぶられっ子症候群」という心身へのダメージを生む可能性が高まるということになります。
揺さぶられっ子症候群とは?
揺さぶられっ子症候群は、乳幼児に対して、激しく揺さぶる、天井に向けて投げあげるような高い高いを繰り返すことで、
脳内出血を引き起こし、赤ちゃんが心身にダメージを負うことを言います。
ただし、安心して欲しいのは、子どもが本当に楽しんでいる範囲、あまり長い時間は行わない、怖そうな時にすぐ止める。
これを、守っていれば、パワフルなコミュニケーションをしても揺さぶられっ子症候群になることはありません。
しかし、泣き止まないから激しく揺さぶる、赤ちゃんを床に叩きつける、怖がっているのに高い高いをし続けるなど、こうした行為は虐待にも当たる危険な行為です。
勘違い3.「くすぐり」をすれば喜ぶ
子どもたちを優しくくすぐってあげると、「きゃー!」と嬉しそうにしながら、笑い転げたりします。
あまり子どもとの関わり方に自信がない人でも、子どもが笑ってくれる魔法のような行為と思われるかもしれません。
ですが、やはり子どもとの関わりの中で、ノーリスクな魔法のような行為というのはありません。
くすぐりで笑うのは、楽しんでいるということもありますが、身体への刺激に対する反射としての結果とも言えます。
もちろん、くすぐりも適度に行えば、楽しいコミュニケーションだと思います。
しかし、子どもを無理やり笑わせる目的であったり、長時間におよんでくすぐりを続けることは良くありません。
長時間くすぐりをされると、呼吸が不十分になることで、呼吸器や、酸素が必要な身体の全ての器官に負担がかかってしまいます。
また、コミュニケーションとしての「くすぐり」ではなく、子どもを強制的に笑わせる目的の「くすぐり」はネガティブなコミュニケーションになります。
ネガティブなコミュニケーションとは?
虐待や親子関係の良くない保護者と、一般的な保護者の普段の様子をビデオで録画し、その中でどのようなコミュニケーションが取られていたのかを調べた研究があります。
ネガティブなコミュニケーションは、その研究の中で、虐待を行っていたり、親子の関係性に問題を抱えた保護者の多くが取っていたコミュニケーションで、
かつ、一般的な保護者があまり行わなかったコミュニケーションになります。
何事も適度なら子どもは楽しめる!
今回は、子どもの好きなこととして勘違いがあるかもしれない3つについて解説しました。
どれについても言えるのは、適度であれば全く問題はない。ということです。
大切なのは、子どもが本当に楽しんでいるのかを考えることです。
また、子どもが楽しめない時に、何が理由かを冷静に考えることも、良いコミュニケーションを重ねることに必要なことかなと思います。
今日もいっぱい、子どもと関わり、コミュニケーションを取って、子どもも大人も笑顔いっぱいの1日にしましょう!
では、今日も元気にいってらっしゃーい!
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