毎日の食事、子ども達のことを考えてお肉や野菜、お魚など食材や栄養素を考えながら頑張るママパパも多いですね。そうやって頑張るからには沢山食べて元気いっぱいでいて欲しいけれど、子どもの好き嫌いにイライラしたりしていませんか?今日は子どもの好き嫌いへの対応のポイントを紹介していきます。
食べ物の好き嫌いに関しては、「その食材を食べなくても死なない」、「え?食べた?って量からスタート」、「家族も一緒」という3ポイントに絞って解説していきます!では、さっそく行ってみましょー。
その食材を食べなくても死なない
はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。子ども達の好き嫌い、あって当たり前とは分かっていながら、日々の生活の中ではイライラしてしまったりすることもありますよね。
敢えて極端な表現にしていますが、まずは心構えの部分を解説していこうと思います。もうね、ズバリこれなんですよ「その食材(嫌いな物)を食べなくても死なない」、これに尽きます。
栄養は代えが効く
ちなみにRyU先生は「キュウリ」が苦手です。保育園に勤めていた時は、子ども達も見ているし食べていましたが、キュウリが入っていると他の食材もキュウリの香りになってしまう程に苦手です。普段は基本的にキュウリの入った物は選びませんし、本当に申し訳ないのですが冷やし中華とかのどっさりキュウリは残したり、食べてくれる人がいればあげています。でも、RyU先生は生きているんですよ。
何を当たり前な事を言っているのか!と思うかもしれませんが、お子さんが「お肉嫌い!」、「トマトいや!」と言っている時に、そうした考えは頭の中にありますか?
色んな食材を食べる理由はなんでしょう?勿論、たくさんの食材に触れ、色んな味やにおい、食感、冷たい熱い、ねばねば、ツルツル・・・様々な感覚を味わうことも醍醐味の一つではあります。けれど、もっと根本的なことを考えると、私たちが1種類の食材ー例えば肉食動物で言う肉ーではなく様々な食材を接種する必要性があるのは、必要な栄養素をなるべく過不足なくバランス良く取り入れる為ですよね。
なので、例えキュウリが苦手でも、キュウリに含まれている栄養素を他の食材で補うことができれば生きていくことはできます。お肉が嫌いな子や、トマトが苦手な子もそうですよね。極論、トマトにこだわって出し続けて、トマトが食べれないからビタミン不足になるのか、トマト以外の食材でビタミンを摂ることで栄養を十分に摂るのはどっちが良いですか?ということにもなります。
答えは簡単ですよね?栄養不足にならない為にトマトを食べて欲しかったのに、食べてくれないからと意固地になってトマトを出しつづけた結果として、ビタミンが不足したら本末転倒なわけです。目的は栄養素の摂取なのだから、他の物で補ったら良いだけの話なんです。
つまり、ほとんどの食材というのは代用がきくので、無理に好き嫌いを治す必要はない!のです。栄養は代えが効くのですから。
とは言っても給食にも出るし・・・
それでも日本の価値観の中では好き嫌いは克服するもので、作ってくれた料理にケチをつけるのは失礼で、ましてや残すことなどマナー違反という風に育ちます。食材は大切にしなければならないですし、日本ほど廃棄する国もそうそうないのが現実なのだとは思います。豊かな国だからこそ選り好みができるのかもしれませんね。
とは言っても給食にも出るし・・・そうですね、保育園でも様々な食材を使います。それに、目標として好き嫌いの克服は確かにあります。保護者面談とかで、食べさせてくださいと言われることもなくはないですしね。
なので初めにも言ったのですが、あくまでも心構えとして「この食材を食べなくても死なない」と思えるようにだけしてください。どれだけお子さんのことを思って「食べさせなくてはいけない!」と頑張っても、好き嫌いは一朝一夕には克服できないものですし、他人がコントロールできる類のことではありません。
お子さんの為に作る料理。お子さんの健康を願って食べさせる。でも、嫌いな物があっても死なないし、ダメなら他の物で栄養を補えば良いか。と、もっと肩の力を抜いて欲しいのです。
え?食べた?って量からスタート
確認の為に何度でも言いますが、嫌いな物を食べなくても死にません。他の食材で十分に代用できます!その心構えを頭に入れつつ、お子さんのペースで少しでも多くの食材を、一口でも多く食べられるようにするにはどうしたら良いのかを考えていきましょう。
ほーんの少しから始める_スモール・スッテップ法
苦手な食材を食べさせる有効な手段として、「小さくする」、「混ぜ込む」などは皆さんもご存じで、すでに実践されている人も多いですよね。でも、ちょっと待って。それ、大きすぎません?
その食材が苦手な理由はなんでしょうか?RyU先生のキュウリは食感と風味です。歯ごたえかもしれないし、色かもしれない、匂いかもしれないし、味かもしれない。お子さんが喋れる年齢なら聞いてみてください。なんで苦手なんでしょう?なんとなく、というのも立派な理由になります。
では、それらが感じなくなるくらい小さくしたら良いですよね。小さく切りましたよ?では、まだ大きいのです。スプーンの端にほんのちょっと乗っているくらいの量。「え?食べたの?」ってお子さんが思う、このくらいで丁度良いと個人的に思っています。
え?それじゃあ味も分からないし、栄養も足りないじゃないですか!って思った方は、さあ心構えを思い出しましょう。落ち着いたら、苦手な理由も思い出してみてください。味も分からないから食べられるんです。初めの一歩目はそのくらい小さな一歩で十分です。それを少しずつ少しずつ続けて、すこーしずつ量を増やしていくのが、結局のところ回り道に見えて苦手克服の一番の近道だと思っています。
こうした極々小さな課題から始めて、成功体験を重ねていく取り組み方を「スモール・ステップ法」と呼びます。色々な場面で応用が効く考え方なので、名前だけでも覚えておいてください。僕の記事の中では頻繁にでてきます。
食べた!という実感はとても大事
苦手な物を食べられるように「小さく」したり、好きなものと「混ぜ」てみたり工夫をしていくわけですが、これが栄養摂取の目的であれば良いのですが、苦手克服が目標だと注意が必要です。
どれだけ小さくしても、何に混ぜ込んでも子どもが「〇〇を食べた」という実感がわかなければ意味が無いのです。逆に言えばどれだけ上手にトマトをルーに溶かし込んで、美味しいハヤシライスにして、子どもがおかわりしても、トマトを食べた(トマトが使われた料理だ)と実感できなければ、苦手克服は進みません。
では、どうするのかと言うと、ほんのすこーしの頃から「これはトマトなんだよ」、「これはお肉だよ」と伝えることが大切です。そして沢山褒めてあげて欲しいなと思います。スプーンの端のちょこっとでも「トマト食べられたねすごいね!」、「お肉美味しいでしょ?頑張ったね」と褒めてください。小さな課題と結果への報酬はセットです。
とはいえ、名前を聞いただけでも口を開けてくません、なんて子もたくさん居そうですね。ですが、改めて言いますが実感がわかなければどれだけ食べても克服には繋がりにくいものです。「僕はトマトを食べられた」、「私はお肉を食べられた」と、そう子ども達が理解して、自信をもつことが必用なのです。
家族も一緒だから食べられる
頭の隅に常においておきたい心構え、そしてスモール・ステップでの実践例もお伝えしました。最後は環境設定の話をして終わろうと思います。
環境設定というとすごく難しそうですが、要は「どのようにお子さんの食事をしていますか?」ということです。食べこぼしが気になるからお子さんだけ先に食べさせて、自分は後でという人もいるでしょうし。自分は一緒に食べるけれど、他の家族は好きな時間に食べているというケースもあるかと思います。
苦手克服の観点からすると、個人的には家族みんなが同じものを一緒に食べる。というのが一番良い環境だと考えています。
とはいえ、それぞれの家庭の事情で、それぞれの形で食べているものだと思います。なので、誰かの生活リズムを崩してまで一緒に食べる必然性はありません。もし、なんとなくバラバラに食べている、手がかかるからお子さんだけ一人食べさせる、という場合には一緒に食事をとることでお子さんに変化があるかもしれません。
保育園ではよく「家では食べない食材を保育園では食べられて不思議です」といった声を聞くことがあります。もちろん栄養士さんや調理師さんの努力もあるのですが、お友達と先生と一緒に食べるという環境が要因なことが多々あると思っています。
お友だちが食べている様子を見る。先生が食べている様子を見る。お友達が食べて先生に褒められた!ワイワイ楽しいしなんとなく美味しそうに見えなくもない。先生が食べさせてくれるなら食べてみるかな!
実際にこんな風に子ども達が思っているのかは分かりませんが、きっとこういった部分は大きいだろうなと感じます。なので、家族が一緒に食べることも大きな意味がありそうじゃないですか。
ママパパが美味しそうに食べている、お姉ちゃんが食べて褒められた、弟がモリモリ食べてる・・・ほんの少しなら食べてみるかな。と思ったりするかもしれませんよ?
お子さんのペースで気長に
今回は食べ物の好き嫌いを克服する為の心構えと、具体的な方法、そして環境設定に焦点をあてて解説をしてみました。あくまでも僕個人の手法です。好き嫌いに対する考え方も人それぞれ違うでしょうし、ここで紹介した方法だけが苦手克服につながるとは言いません。
大切なのは、お子さんのペースに合わせてムリなく気長に進めていけることです。そして、ご飯を用意するママパパにとっても、無理のない範囲でやっていきましょう。
疲れている日は、栄養素が近いもので代用しても良いじゃないですか。お子さんの機嫌が悪かったら、翌日からでも栄養不足にはなりません。
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