はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。
新成人の皆さん、おめでとうございます。新成人のお子さんがいらっしゃる方もおめでとうございます!
成人年齢の引き下げなどもありますが、やっぱり20歳という節目は大きく感じますね。
成人式を行う地域の方も、喜びも噛み締めつつ、やはり感染症対策はしっかりして、成人として自覚ある行動をして欲しいものですね。
あれ?なんか想定していたよりお堅い文章になってしまった。
さて、今回は子どものメンタルケアの考え方について解説していきます。
「子育てと心」というテーマも3回目、でもまだまだ、お伝えしきれていないことがあるので、はりきっていきますよ!
では、さっそくいってみましょー。
子どものメンタルケア
みなさんはお子さんのメンタルケアについて普段から考えることはありますか?
成長や発達、健康や安全には敏感に知識を得て、慣れないながらに実践している人でも、メンタルケアについては知らないことが多いです。
そもそもとして、子どもにメンタルケアは大仰過ぎないか?と感じる方もいるかもしれませんね。
それは、どこかで”子どもに大人の様なストレスはない”と感じているからでは無いでしょうか?
子どももストレスを感じている
ですが、当然の事ながらストレスは人間誰しもに影響があるもので、子ども達も同様にさまざまなストレスにさらされています。
そもそも、生活をしている中でストレスというのは避けようの無いものだということも忘れてはいけません。
また、ストレスというのは「必要なストレス」と「不必要なストレス」とがあり、成長を促進したり、発達のきっかけを生み出すことに必要なストレスがあれば、
暴力や暴言など不利益を被るだけの、全くもって必要のないストレスとあります。
また、昨今では「子どもの鬱」や「不安障害」が問題視されていたり、不登校や自殺の件数が増えていたりしますよね。
子どもの命を守る為にも、メンタルケアの必要性は年々高まっています。
こうした背景もあり、子どものメンタルケアというのは親や保育者にとっては重要な課題とも言えるのです。
ですが、まだまだ注目が集まり始めた分野ではあるので、知らないことも多いかもしれません。
今回は、少し踏み込んで子どものメンタルケアの基本的な考え方と、具体的なメンタルケアの方法について紹介していきます。
子どものメンタルケアを考える
大人になった時にストレスに耐えたり、上手にストレスと向き合えるようになる為に、
子どもの頃からメンタルケアを継続することで、少しずつ「心のしなやかさ」や「ストレス耐性」などを高め、心の支えとなるものを増やしていく必要があります。
また、今まさにストレスによって苦しんでいる子どもを守ったり、心が病んでしまったりした子を支える為にもメンタルケアは重要なものです。
必要なストレス、不必要なストレス
メンタルケアの中で大事なのは、必要なストレスを促しながら、不必要なストレスから子ども達を守るということです。
例えば、お友達との喧嘩やトラブルは必要な経験だとよく言われますが、一概に全てのトラブルが必要な訳ではありません。
玩具の取り合いや、遊ぶ方法で意見が別れた時など、子どもが相手の気持ちを考えるきっかけだったり、人間関係とはどんなものかを体感するような経験は必要で、
こうした場面では、子ども達の安全に十分に気をつけながら傍で見守る方が良い場合があります。
なので、これは必要なストレスの1つといえます。
ですが、同じ人間関係のトラブルでも、いじめは別です。
加害者になること、被害者となること、どちらも全く必要の無い経験です。
それは望ましくない歪んだ人間関係ですし、誰かをいじめることによって得る経験が子どもの心を育てることはありません。
また、いじめられて身に付く強さなんてものは絶対にありませんが、もしそんなものがあったとしてもそれは全くもって必要のないものだと断言できます。
ストレスのかかる場面で、その経験から得るものや、その経験がきっかけとなって関心が深まるものが、必要なストレスであると言えます。
遊戯室でお友達と玩具をシェアする。
公園で遊具の順番待ちをする。
無理なく苦手なことに挑戦する。
公共のルールを守る(電車では静かに座るなど)
こうしたものは概ね必要なストレスと考えられるかと思います。
とはいえ、ずっとストレスのある場所にいるのも良くないので、無理のない範囲で必要なストレスに向きあうようにしましょうね。
具体的な子どものメンタルケアの方法
さて、必要なストレスもあることが分かったところで、実際に子どもに対するメンタルケアとはどういったものがあるのでしょうか?
まずは、この3つについて日頃から意識してもらえるといいのではないかなと思います。
- 普段からよく見守り異変を察知する
- 話をよく聞く、本当のことを伝える
- 辛い時には十分に甘えさせる
当たり前なことから、「それはちょっと…」というものもあったでしょうか?
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.普段からよく見守り異変を察知する
いきなり、当たり前なことを改めて言われても……
と、思うかもしれませんが、当たり前なことこそ「どうして必要なのか」を理解する必要と、「意識して実践する」ことが重要です。
前述した通り、人間が社会生活を送ったり、人と関わったり、ただ生活をしているだけでもストレスというのは避けようがありません。
ただ疲れただけでも億劫になったり、タンスの角に小指をぶつければ「なんて不幸なんだ!」とモヤモヤするでしょう。
子ども達も当然、遊んでいる時や食事の時、トイレやお風呂、朝早く起きることにも、程度の差はあれどもストレスを受けています。
成長途中ならではのもどかしさや、難しさもあるでしょうし、人間関係で悩みもするでしょう。
そうしたストレスが溜まってしまったり、何かが原因で強いストレスにさらされると、「赤ちゃん返り」のように見た目にも大きな変化として、異変が現れることもあれば、
隠れて自慰行為が始まる、噛みつきや叩くなどが見られやすくなるなど少し見えずらいもの、
そして、鬱状態のような一見すると気づきにくいものまで、様々な救難信号を出すようになります。
こうした子どもからの救難信号をつぶさに見つけて、対応してあげるのには、普段の様子をしっかりと把握する必要があります。
自分のお子さんの好き嫌いはなんとなく分かるかもしれませんが、どうしてそれが嫌なのか?好きなのか?まで把握するのは、一緒に暮らしていても意識せずにいると見逃してしまうのではないでしょうか?
外遊びを嫌がる時には疲れが溜まってきている。
スキンシップが多くなると体調を崩す前ぶれだったりする。
理由なく人を叩くようになると、イライラが溜まっている。
自慰行為が見られる時には、仕事が忙しかったりでコミュニケーションが減っている時期だったりする。
こうした、子どもからの救難信号を、予兆として捉えられるようになると、
本当に子どもがしんどくなってしまう手前で、対処することができたり、意識的に関わり方を変えたりすることができるようになります。
それには、普段の様子を知っていて、異変に気づく為の準備が大事だと言う事ですね。
2.話をよく聞く、本当のことを伝える
メンタルケアの2つ目は子どもとの会話の中にあります。
話をよく聞いてあげると、子どもたちは安心します。なにか辛いことがあった時も、話したことで少し飲み込めることがあるのは大人も経験がありますよね。
また、本当のことを伝えることが、実は子どもの不安を取り払う場面もあります。
世界の生活様式があっという間に変わってしまったコロナウイルスの登場で、いま「強迫症」の子どもが増えているのだそうです。
強迫症は、要約すると「何か特定のことにこだわることで、生活や、心身に望ましくない影響が出る」ことを言います。
詳しくは、小児科医や心療内科医など専門家の出している情報を確認して貰えたらと思います。
コロナという未曾有の災害で、生活が激変したことは大人にとっても子どもにとっても、想像だにしていなかった強いストレスとなっています。
また、当初はコロナ自体がまだ解明されていなかったですし、様式が変化して感染対策と経済の動きのバランスを考えるようになった昨今でも、ウイルスの怖さだけが独り歩きしているところがあります。
そんな「よくわからない感染症の怖さ」というストレスによって、手が赤切れるほどに強く手を洗ったり、何十分もずーっと手を洗い続ける子どもの姿が頃な以前より明らかに多く見られるようになったのだそうです。
その理由のひとつとして、子どもの患者も診ているある心療内科医が、「ウイルスについて本当のことを伝えていない」ことが関係していると言っていました。
きっと、多くの家庭でコロナについて話はしたと思います。
ですが、子どもに要らぬ心配をかけまいとしたり、そもそも子どもに伝えても理解できないだろう、と情報をあえて隠したり、子どもに伝えなかった人もいるのではないかなと思います。
本当のことを伝えるのは難しいですよね。
子どもによっては、伝えることによって恐怖心が強くなることもあるでしょうし、逆に本当のことを伝えることで気持ちが少し楽になる子もいるかと思います。
これは、保育士としての一個人の考え方なのですが、子ども達は大人が想像するよりもずっと理解力があって、自分の心の折り合いをつける力も備わっているものだと思っています。
全体像が伝わらなくても、それが怖いものであるとか、手を洗えばウイルスは減るとか、消毒もすごく心強いものであるとか
ワクチン注射で少しコロナになりにくくなるとか、すごく辛くならないようになるとか、
どうなったら、おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行けるようになるとか。
時間が許す限り、包み隠さず伝えることが大切だし、大人の想像よりも子ども達はきっとそれを頭でも、感覚的なものでも理解出来るのではないかと思っています。
3.辛い時に十分に甘えさせる
最後に、子どもがしんどくなってしまった時や、そんな予兆が見られ始めた時の対処についてです。
もしかしたら医師にかかるよりも効果があるのが、子どもを十分に甘えさせてあげるということになります。
子どもを甘えさせるというのは、何も甘やかすことではありません。
コロナによって、脅迫的に手を洗う子どもが増えたと報告していた、心療内科医は同じ記事の中で「甘えさせること」と「甘やかす」ことを、とても分かりやすく区別していたので、それを紹介します。
「甘えさせる」というのは、抱っこしたり、スキンシップを取ったり、子どもの精神的な欲求に応えること。
「甘やかす」というのは、何かを買ってあげたり、子どもの物的要求に応えること。
こう2つを区別して、甘やかすことなく、たくさん甘えさせてあげて欲しいと論じていました。
すごく納得のいく線引きだなと、すごく感心してしまいました。
つまり、子どもが辛い思いをしていたり、不安が大きくなっている時には、何かを買い与えるのではなく、たくさんのスキンシップを取りながら子どもとの時間を作ることが、
傷ついている子ども達の心の傷を、優しく癒す具体的な方法なのだということです。
言葉や表現が未熟だからこそしっかりと心に目を向ける
子ども達も大人と同じように日々ストレスにさらされなが、懸命に生きています。
成長や発達に関わる、必要なストレスも多くありますが、いじめなど必要のないストレスを受けるリスクもないとは言い決まれません。
子どもの健やかな成長の為には、必要なストレスを受ける経験を無理なく重ねながら、不必要なストレスを排除して、疲れたりしんどくなった時にはすぐにケアをしてあげることが大切です。
具体的なメンタルケアとしては、普段からの姿をしっかりと把握して、子どもの異変に気づいたり、予兆を掴むことに始まり、
子どもとの会話の中で、なるべく本当のことを伝えようとすることも、子どもの不安を小さくする方法の一つでもあります。
もし、辛いことがあったりした時に子どもが甘えてきたら、十分な時間をとって子どもとの時間やスキンシップをじっくりと取るようにしてください。
前々回に触れた「心のしなやかさ」の色んな形も、こうした関わりの中でも確かに育まれていくものです。
子ども達は幼いほどに、言葉が少なく、表現の仕方も未熟になります。
上手に自分の辛さを説明できないことも多いかと思います。
そうしたことを忘れず「本当に言いたいことはなんだろう?」、「この子が伝えたかったことを全部聞いてあげられたかな?」と配慮してあげることができると良いのではないかなと思っています。
では、今日も元気にいってらっしゃーい!
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