子ども自主性を伸ばす「ほったらかし」育児とは?放任と育児放棄との違いも【day43】

この記事は約6分で読めます。

 ほったらかし育児ってどういう育児?

 子どもをほったらかすなんておかしい!

 なぜほったらかし育児が注目されているの?

 「ほったらかし」という言葉選びが適切なのかは、勘違いしやすいような気がしていて、個人的には疑問に思っているので解説記事を書こうと思いました。

 もちろん育児放棄とは全く違うもので、過干渉・過保護になりすぎず、子どもの自主性や探求心を伸ばす関わり方として注目されています。

 今日は、簡単な内容と、大切な注意点を解説していきます。

 そして、明日からは具体的な内容やメリット、実際に家庭で行う為のポイントなどについて、何度かに分けてしっかりと深堀していきますので楽しみに更新を待っていただけたらと思います。

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今日のポイント

 この記事を読むことで以下のことについて理解が深まります。

  • 「ほったらかし」は育児放棄でも親が楽をするためのものでもない
  • 子どもを理解しているからこそ「ほったらかし」にできる
  • おすすめの育児本を紹介

 では、さっそくいってみましょー!

子どもの自立や探求心を深めるのは「ほったらかし」!?

 はい、みなさんこんにちは!保育士りゅう先生です。

 みなさん「ほったらかし育児」って聞いたことがありますか?

 まずはその全容を覗いてみましょう。

子どもを伸ばす「ほったらかし」は育児放棄でも親が楽をするためのものでもない

 「ほったらかし」という言葉は、あまりポジティブな意味で使われないものですが、ここでの「ほったらかし」は数少ないポジティブな意味で使われています。

 どういうことかと言うと「ほったらかし育児」とは、

 子どもの自主性や好奇心・探求心を尊重しながら、挑戦と失敗に寛容な態度で、必要最低限の干渉にとどめる育児

 なんですね。

 もう、感づいてしまった方も多いと思いますが、その通りです。

 「ほったらかし育児」は親が楽をできる育児などではなく、子どもが興味関心に没頭できるような環境や、雰囲気を積極的に作り上げていく育児なんです。

 そんなおおらかで寛大な態度で子どもと関わるからこそ、子どもは自分の興味に没頭して、自主的に学びを深めていくことができるのです。

こたつを火の海にしても息子の好奇心を尊重した母

 例えばどんな態度なのかというと、山中教授は幼少期の思い出として、次のようなことをおっしゃっていました。

 小さいころから化学が好きで、実験セットが付録されている化学雑誌を定期購入してもらっていました。ある日、その中の一つで「アルコールランプ」の燃焼実験をこたつの上で行っていると、アルコールがこぼれてしまいこたつが火の海になったのだそうです。

 普段は両親は働いていて家にいないのですが、その日はたまたまお母さんが家に居たので大事に至らなかったそうです。

 こたつを火の海にしてしまった後も、お母さんは決して科学雑誌の定期購読を解約したりはしなかったのだそうです。

 このエピソードのすごいところは、小学生だったころの山中教授が関心を持っていた化学について、もっと深く学べるように化学雑誌を定期購読していたこと。

 家の中でいつでも実験を行って良い環境と、実験に没頭できる雰囲気づくりをしていたこと。

 そして、実験の失敗で危険な場面があってもなお、化学が好きな子どもの探求心を尊重し続けられた、おおらかな態度にあります。

子どもをよく理解していなければ「ほったらかし」になんてできない

 小さい子がいると、色んな不安がありますよね。

 口に物を入れて誤飲をしたりしないか、おぼつかない足で転んでけがをしないか、お友だちと仲良く遊べているだろうか、実験を家で行うなんて危険じゃないのか・・・

 小さい子には小さい子の心配事があって、年齢が高くなってもやっぱり心配事が尽きることはありません。

 その中で、しっかりと見守りながらも、過度な干渉をぐっと堪えて「ほったらかし」にするには、やはり子どもをよく理解している必要があります。

 今はどんなことに興味関心があるのか、一人でできること、傍で見ていれば挑戦させてあげられること、大人と一緒じゃないと危険なこと、得手不得手や性格。

 そうした子どものパーソナリティや能力を、日ごろからよく見守り把握しているからこそ、子どもの安全は確保しながらも、子どもが自主的に、能動的に活動する「ほったらかし」の時間を作ることができるようになるんですね。

どこまで「ほったらかし」にできるかは家庭それぞれで違うもの

 どうでしょう?

 今すぐでも「ほったらかし育児」を実践できるという人もいれば、まずはもっと子どものことを知らなくちゃいけないと思った人もいるのではないでしょうか。

 どこまで興味関心に没頭させてあげらるかは金銭的な問題や、環境的な問題もあるので本当にその家庭それぞれです。

 どこまでの危険やリスクであれば看過することができるのかは、子どもによっても、その子を見守る大人によっても全く違うものです。

 大切なのは「ほったらかし」を実践できるかできないかではなくて、「過干渉」や「過保護」にならないおおらかな姿勢と、「不干渉」や「育児放棄」にならないように自分の育児をときおり振り返っていくことかなと思います。

 明日は、「ほったらかし」のメリットとデメリットについて解説していきますので合わせて読んでもらえたらと思います。

iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中教授の育児本は要チェック!

 僕は最近読んだ、「山中伸弥教授」と「成田奈織子先生」の対談をまとめた育児本で初めて「ほったらかし育児」に触れました。

 この著書の中で、山中教授と成田先生がそれぞれの成育歴や、専門の分野にまつわる見解も含めて育児について語り合っています。

 お二人は実際に「ほったらかし」で育った面があって、それが自立心であったり、専門分野で第一線にまでかけあげるような探求心を育んだのだと言います。

 対談形式なので、普段はあまり本を読まないという方でも読みやすいですし、文章量もそこまで多くなく、けれど今までの育児本では届いていなかった「痒い所」にも言及している内容の詰まった育児本です。

 育児について学びたいけど、どんな本を読んだら良いのか迷っている方にもオススメの一冊です。

 

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